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AV02-2015JP - July 7, 2009
ポリマ材料の空間電荷による経時劣化は、現在で
も盛んに研究されているテーマです。しかしなが
ら、この劣化現象は未だ解明されたとは言い難い
状況にあります。空間電荷による劣化に関し、寿
命を予測するために有用ないくつかの明確で安定
的に観測される特性があります。絶縁寿命を試験
した結果を印加した電圧に対してプロットする
と、低kV/mmストレス領域での経時劣化の様子は、
明らかな漸近線となります。
このことは、あるレベル以下の印加電圧では、予
測寿命が急激に長くなることを意味しています。
このレベル以下の電圧ストレスでは、空間電荷に
よる影響は問題とならない程度まで低減されるか
らです。
フォトカプラの場合、使用されている絶縁物が厚
く、kV/mm電圧ストレス・レベルが低くなるため、
空間電荷による絶縁劣化は必ずしも問題とはなり
ません。
空間電荷による絶縁劣化は、薄いポリマ・コーテ
ィングを用いたアイソレータでは深刻な問題とな
ります。この場合、高kV/mmストレスが空間電荷に
よる絶縁劣化を引き起こす元となります。高印加
電圧での絶縁寿命試験でこの現象を見ることがで
きますが、それよりも通常動作電圧に近い電圧で
の長時間試験が問題となり、機器レベルの通常の
動作寿命時間以内にも関わらず、絶縁故障が見ら
れることがあります。
結論
フォトカプラは、電気的安全に関する広範な用途に
おいて、長年に渡り使用されて来ました。それにも
関わらず、機器レベルと部品に関する安全規格が、
絶対的な安全使用を保証する要件を明確にしていな
い場合、しばしば議論の対象となります。
議論は、主に高電圧印加時の絶縁寿命と、高過渡電
圧による絶縁の損傷についてです。しかしながら、
これらはフォトカプラ本来の構造により既に対処さ
れているため、机上の懸念に過ぎないことが、実験
と現象論の両方から証明されています。一方、フォ
トカプラ以外の半導体アイソレーション技術におい
ては、この机上のリスクは、現実的な安全上の危険
要因となり得ます。
多くの場合、機器レベルの安全規格は、その定義に
おいてフォトカプラ以外の半導体絶縁技術を、強化
絶縁に使用することを構造面から禁じています。
しかし、すべてがそうではありません。旧来の機器
レベルの規格において、フォトカプラ以外の半導体
絶縁技術に関するリスクは、不明瞭に規定されてい
るか、或いは全く示されていません。この状況は、
フォトカプラの安全規格を用いることが技術的に有
効でないにも関わらず、フォトカプラ以外の半導体
アイソレータの安全性を評価するためにしばしば適
用されるという、一層現実離れした状況を作り出し
ています。
参考文献
1) A Space-charge Life model for ac electrical Aging of
Polymers. G. Mazzanti, G.C. Montanari, L.A. Dissado. IEEE
transactions on Dielectrics and Electrical Insulation.
2) Contribution of Partial Discharges to Electrical
Breakdown of Solid Insulating Materials, C. Mayoux
and C. Laurent. IEEE transactions on Dielectrics and
Electrical Insulation.
3) IEC60950-1 Second Edition 2005, Information
Technology Equipment Safety.
4) IEC60664-1 Insulation coordination for equipment
within low-voltage systems.