Broadcom ACPL-C79X, を使用した絶縁型電流検出モジュール ユーザーガイド
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ACPL-C79Xを使用した絶縁型電流検出モジュール
ユ ー ザ ー・ガ イド
はじめに
図1に示したACPL-C79x絶縁型電流検出評価モジュールは、いく
つかの代表的なホール効果電流センサとピン・ツー・ピン互換で
す。この評価モジュールに実装されたアイソレーション・アンプは
ACPL-C79Aで、ゲイン精度は±1%です。この製品ファミリには、ゲ
イン精度±0.5%のACPL-C79B、同±3%のACPL-C790もラインナ
ップされています。ACPL-C79B/C79A/C790アイソレーション・アン
プは、電力変換装置、モータ駆動装置、および再生可能エネルギ
ー用途における電流および電圧検出用に設計されました。
多くの小型電力駆動設計において、シャント抵抗とアイソレーショ
ン・アンプを組み合わせたセンス方式は、高線形性、低温度ドリフ
ト、低コストの他、小型低プロファイルなど従来のホール効果電流
センサに比べて多くの優れた利点を備えています。図2に示したよ
うに、この評価モジュールの寸法は、20mm×16mm×24mm（高
さ ）で す 。
シャント抵抗とアイソレーション・アンプを含む主要部品は、小型
表面実装パッケージで提供されます。この評価モジュールで評価
を迅速かつ容易に行うことができます。
評価モジュールは、LEM社のホール効果電流センサ、LTS 6-NP、
LTS
15-NP、LTS 25-NP、CAS 6-NP、CAS 15-NPおよびCAS 25-NPモデ
ルなどとピン・ツー・ピン互換です
[1]
。LTSおよびCAS素子を使用
する設計者は、この評価モジュールによって、ACPL-C79Xベースの
電流検出ソリューションを評価し、既存のホール効果電流センサ・
ソリューションと容易に比較することができます。たとえば、設計
者は、LTS 15-NP素子を取り外し評価モジュールと差し替えるだけ
で、簡単に評価を開始することができます。
図1. ACPL-C79x絶縁型電流検出評価モジュール
図2. 電流検出アイソレーション・アンプ評価モジュール
注1. LEM社の製品型名
20mm
24mm
16mm
Actual size
図3. 評価モジュールの回路図
回路図
図3に評価モジュールの回路図を示します。評価モジュール
は、PCB1とPCB2の2つのプリント回路基板(PCB)で構成されま
す。PCB1には、電流経路を構成するシャント抵抗と2つのヘッダーコ
ネクタがあり、3つ目のヘッダーコネクタが、インタフェースとして使
用されます。PCB2には、ACPL-C79Aアイソレーション・アンプ(ゲイ
ン精度±1%)と絶縁型DC-DCコンバータが実装されています。2つ
のPCBにはヘッダーコネクタP4およびP5が取り付けられています。
シャント抵抗R1にACまたはDC電流が流れると、電流に比例した
電圧が生じます。この電圧は、R2、R3およびC1からなるアンチエリ
アシングフィルタによってフィルタリングされ、次に差動入力電圧
としてACPL-C79Aによって検出されます。光アイソレーション・バ
リアを通したACPL-C79Aの出力側には、入力電圧に比例した差動
出力電圧が発生します。
アイソレーション・アンプの後段では、差動アンプとして構成され
たOPA237が、差動信号をシングルエンド出力に変換します。この
段は、必要に応じて信号をさらに増幅したり、ローパス・フィルタと
して帯域幅を制限するように構成することができます。
評価モジュール内の差動アンプは、ローパス・フィルタのコーナー
周波数が234kHzでゲインが1になるように設計されます。抵抗R6
およびR7を変更することにより、異なるゲインに設定することがで
きます。C6とC8の位置にキャパシタを追加することにより、帯域幅
を狭めることができます。
ACPL-C79Aのゲインが8.2の場合、全伝達関数は次のようになります。
Vout = I × R1 × 8.2 + Vref .
出力信号Voutは、P7ヘッダーコネクタ（ピン3）を介してマイコンな
ど次の段に接続されます。
シャント抵抗と電流範囲
このモジュールのシャント抵抗は、10ｍΩで固定されます。適切な
電流測定範囲は、約15A
RMS
です。これは、ACPL-C79Aのリニア入
力電圧範囲±200mVから計算されます。ACPL-C79xは、フルスケ
ール入力範囲が±300mVであり、これを利用して最大21A
PEAK
の
正確な過負荷電流検出が可能です。評価モジュールはPCBサイズ
が小さいため、シャント抵抗の熱放散を大きくできません。評価中
は電流を10A
RMS
に、短時間の簡単な機能チェックでは15A
RMS
に
それぞれ制限してください。詳細な性能評価については、シャント
抵抗や他の部品が適切に配置されたPC基板を使用することを推
奨 し ま す 。
電源
評価モジュールは、＋5V単一電源で動作します。これは、P7のピン
1および2を使用し、後段のシグナル・プロセッサやコントローラ等
の電源と共通にすることができます。
評価モジュールには、ACPL-C79Aの信号入力側に電源を供給す
る絶縁型DC-DCコンバータ(図3のU1)が実装されていて、これによ
り評価を簡単なプラグ・アンド・プレイ操作で行うことができます。
しかし、ACPL-C79Aを使用したソリューションを大量生産でコスト
効率よく実現するため、実際には入力側の5V電源は、多くの場合、
ハイサイド・パワートランジスタを駆動するためのフローティング
電源から供給されます。+5Vを作るため、三端子レギュレータを使
用する方法や、既存の変圧器に巻線を追加して+5V電源を作成す
る方法があります。
0.47uF
C3
10R,1%
R2
0.47uF
C4
GND2GND1
100nF
C2
GND1
100nF
C5
GND2
22nF
C1
10R,1%
R3
GND1
GND2
10K,1%
R4
10K,1%R5
NMC8
68pFC9
10K,1%R7
0.1uFC10
GND2
68pF
C7
10K,1%
R6
NM
C6
Vref
GND2
1K,1%
R9
1K,1%
R8
1uF
C11
Vref
GND2 GND2
VDD2
VDD2
GND2
WSR3R0100F
R1
R01, 3W
-Vin
1
+Vin
4
+Vout
5
-Vout
7
U1
NKE0505DC
1
2
3
P1
Header 3
1
2
3
P2
Header 3
1 2
3 4
P3
Leave Blank
1
2
3
P7
Header 3
1 2
3 4
P4
MHDR2X2
V+
0V
Out
PCB2PCB1 PCB1
Vinp
Vinn
VDD1
1
VIN+
2
VIN-
3
GND1
4
GND2
5
VOUT-
6
VOUT+
7
VDD2
8
U2
ACPL-C79X
3
2
6
7
4
8
1
5
U3
OPA237UA
VDD1
Vout
1
2
34
P6
Leave Blank
12
3
4
P5
MHDR2X2
*
*
*
*
*
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