「ELCajon」(エルカホン)とは
Roland ELCajon(エレクトロニック・レイヤード・カホン)は、ローランド独自のセンサー/
音源技術を用いて「アコースティックの音に電子音を重ねる」という新しい概念を持ったカホ
ンです。
この新しい概念でカホンという楽器を音楽的に捉え直してみると、いろいろな演奏アイデアが
生まれ、さまざまな音楽表現が可能になるでしょう。
主な特長
5
カホン本来の音の響きを活かしながら、さまざまな電子音を
重ねることができます。
5
外部マイクや PA 機器がなくても、単体で迫力ある音量感が
得られます。
5
軽量で持ち運びやすく、電池駆動なので、野外でも場所を選
ばず演奏することができます。
5
大きなホールで演奏する場合、ELECTRONIC SOUND
OUT(エレクトロニック・サウンド出力)端子を活用すれば、
さらに迫力のあるサウンドが得られます。
5
MIX IN 端子にオーディオ・プレーヤーをつなぐと、演奏しな
いときはスピーカーにもなる椅子としても使えます。
ぜひあなた自身の手で、この ELCajon の可能性を最大限に引き
出してください。
各部の名称とはたらき
座面
トップ・パネル
スピーカー・ホール兼
バ スレフ・ポ ート
(内蔵スピーカー)
エッジ
この部分を叩くと各キットの「エッジ」
の音が鳴ります。
演奏打面
電子レイヤー音は、ヘッドとエッジの
2 種類の音があります。
ヘッド(演奏打面中央)
この部分を叩くと各キットの「ヘッド」
の音が鳴ります。
トップ・パネル
サウンド・グループ選択ボタン
3 種類のサウンド・グループ(CAJON、
PERCUSSION、SFX)を左右 2 つのボタ
ンを使って選びます。
ミュート(消音)
左右 2 つのボタンを同時に押すと、電子レ
イヤー音を鳴らさないミュート(消音)状態
になります(3 つのインジケーターが消灯)。
カホン本体のアコースティック音だけを演奏
したいときに利用します。
キット番号選択ボタン
各サウンド・グループのキットの番号(1 〜 9、0)を左右 2 つのボタン(DEC / INC)
で選びます。
左右どちらかのボタンを長押しすると、番号を素早く切り替えることができます。
リア・パネル
A
B
C
D
E
F
G
A
電池ボックス
ELCajon は、電池または付属の AC アダプターで動作します。
電池で使用するときは、電池の向きに注意して、単 3 電池を 6
本入れてください。
※ 電池の寿命は、通常演奏での使用で約 12 時間です。電池が消耗してくると「L」
と点滅表示されます。早めに電池を交換してください。
※ 電池の使いかたを間違えると、破裂したり、液漏れしたりする恐れがあります。「安
全上のご注意」「使用上のご注意」(『安全上のご注意』チラシ)に記載の電池に関する注
意事項を守って正しくお使いください。
B
DC IN 端子
付属の AC アダプターを接続します。
※ AC アダプターのコードは、図のようにコード・フックに固定してください。誤ってコードを引っ
張ってしまっても、プラグが抜けて電源が切れてしまうことや、端子に無理な力がかかるこ
とを防ぐことができます。
C
[POWER]スイッチ
電源をオン/オフします。
D
MIX IN 端子
オーディオ・プレーヤーなどをつなぎます。この端子に入力された音は、ELCajonの内蔵スピー
カーから出力されます。
E
[VOLUME]つまみ
内蔵スピーカーの音量を調節します。
F
ELECTRONIC SOUND OUT(エレクトロニック・サウンド出力)端子
各キットの電子レイヤー音を外部のアンプや PA 機器に出力します。特に低音を増強したいと
きに使用します。
※ ELECTRONIC SOUND OUT 端子に機器を接続したときは、必ず本機→接続した機器の
順に電源を入れてください。手順を間違えると、誤動作をしたり故障したりすることがあり
ます。電源を切るときは、接続した機器→本機の順に電源を切ってください。
G
[TRIGGER BALANCE](トリガー・バランス)つまみ
電子レイヤー音のヘッド/エッジのセンサーのバランスを調節します。「HEAD」側に回すとヘッ
ド音が、「EDGE」側に回すとエッジ音が鳴りやすくなります。
ヒント
5
ヘッドを叩いたときにエッジの音が鳴ってしまう多くの場合、手の指先でヘッドを叩いたと
同時に、手のひらや手首側が意図せずエッジ付近を叩いていることがあります。その場合
は、手首から先をしならせて、ヘッド打面を叩くようにしてください。
(背面)持ち運び用ハンドル
持ち運ぶ際には、背面のハンドルを持ってください。
※ 持ち運びには、市販のカホン用キャリング・ケース
(50× 30×30cm)を使うことができます。
THRESHOLD(スレッショルド)設定
図の左右 2 つのボタンを同時に押すと、数字が点滅し、電子レイヤー
音を鳴らすための打面を叩く強さを調節できます(1 〜 9)。
THRESHOLD の値を大きくすると、強打したときのみ電子レイヤー音
が鳴るようになります。
設定を終えるには、もう一度左右 2 つのボタンを同時に押します。
※ THRESHOLD の値は電源を切ると初期値に戻ります。
演奏する
本体を傾けて使用する場合は、転倒や端子の破損にご注意ください。
1. アコースティック・カホンとしてのサウンドを体感してみよう
カホンは本来、どこを叩いても音が鳴る楽器ですが、ELCajon のアコースティック楽器として
の響きを最大限に引き出すために、以下のような演奏方法をお勧めします。
叩きかた 説明
ヘッド・ ロ ー
打面の中央付近を手のひら全体で叩いて、低くて余韻
のある低音を出します。
メモ
余韻の少ない、歯切れ良い低音を鳴らすときには、手
の形を丸めて 5 本の指の先端が同時に打面にあたるよ
うに叩きます。
ヘッド・ タッチ
打面の中央付近を、鍵盤を弾くように指先の一本一本
を使ってやわらかく叩きます。繊細で小さい低音を出し
ます。
エッジ・ハイ
打面の上部を、親指を除く 4 本の指全体で叩きます。
ドラムのスネア音のような、使用頻度の高い高音を出し
ます。
ELCajon には響き線がついていますので、叩く強さに
応じて「ジャッ」というアコースティック音が入ってきます。
エッジ・タッチ
打面の上部を、鍵盤を弾くように指先をやわらかく当て
ながら叩きます。静かで繊細な中高音を出します。
エッジ・ハイとは異なり、ゴースト音(リズム・キープや、
低音と高音の合間をバランスよく埋めるための音)とし
てよく使 います。
スラップ
手のひらを指の付け根で L 字に曲げて、打面の上端を、
親指を除いた 4 本の指の付け根を強く素早く当てて叩
きます。
アクセントの効いた高い音を出します。
2. 電子レイヤー音を鳴らしてみよう
トップ・パネルのボタンで、電子レイヤー音を選びます。
ヒント
5
ELCajon には、ヘッドとエッジにそれぞれ別の音が設定されています。アコースティック音
と同じように、電子レイヤー音も叩く大きさに応じて音の鳴りかたが変わります。
5
ヘッド・タッチ/エッジ・タッチ奏法でやわらかく繊細に叩いた場合は、電子レイヤー音が
鳴らないようになっています。
5
電子レイヤー音の音量は[VOLUME]つまみで調節してください。
サウンド・グループ
グループ 説明
CAJON
カホン本体のアコースティック音と電子レイヤー音をブレンドして、ひとつの
カホン音色にすることを目的としたキットのグループです。
このグループの電子レイヤー音は、カホンの響き線のバリエーションとして
作られています。
PERCUSSION
カホン本体のアコースティック音に、カホンとは別の多彩なパーカッション楽
器を電子レイヤー音として追加したキットが入っています。
従来のカホンという枠や定義から離れて、さまざまなジャンルのパーカッショ
ン楽器を、この ELCajon 一台で演奏することができます。
SFX
いろいろな音楽ジャンルで、効果的に使われているサウンド・エフェクト類
を多用したキットが入っています。
※ ダンス・ビートなど、「4 つ打ち」の重低音をしっかり出したい場合には、
ELECTRONIC SOUND OUT 端子を外部のアンプや PA 機器につなぐ
と、より迫力のあるサウンドが得られます。
キ ット ・ リ スト
CAJON
No. キ ット 名 ヘッド 音 色 エッジ音色
1 ア ン ビ エント・ カ ホ ン カホン・ベース(リバーブ付) カホン(リバーブ付)
2 プレイン・カホン カ ホ ン ・ フ ット カホン・ サ イド
3 ソフト・カホ ン カホン・サム・ロー カホン・サム・ハイ
4 スラップ・カホン カホン・ベース(リバーブ付) カホン・ス ラップ
5 バ ー スト・カホン カホン・サム・ロー フラメンコ・クラップ
6 カホン&スプ ラッシュ カ ホ ン ・ フ ット シャイニ ー・スプラッシュ
7 カホ ン&ク ロ ス・ ス ティック カホン・サム・ロー クロ ス・ ス ティック
8 ウッド ・ ス ネ ア ビンテージ・キック ウッド ・ ス ネ ア
9 バジー・スネア ヘビ ー・キック バジー・スネア
0 スチール・スネア プ ラ グド・キック スチール・スネア
PERCUSSION
No. キ ット 名 ヘッド 音 色 エッジ音色
1 カホン&タンバリン カホン・ベース(リバーブ付) タンバリン
2 タンバリン タンバリン タンバリン・ロー ル
3 カホン&シェイカー カ ホ ン ・ フ ット シェイカー
4 カシシ カシ シ・ソフト カシ シ・ソフト/ ハ ード
5 ドール ドール ドール・スティック
6 ドー ル&スプラッシュ ドール シャイニー・スプ ラッシュ
7 カ ホ ン& サ ガット カホン・ベース(リバーブ付) サ ガット
8 ダラブッカ ダ ラ ブッカ・ドン ダラブッカ・テク/カ
9 ブガラブ ー&ジャンベ ブガラブー ブガラブー/ジャンベ
0 スルド ス ルド ・ ミッド ヘピニキ/スルド・ハイ
SFX
No. キ ット 名 ヘッド 音 色 エッジ音色
1 ファット ・ キ ッ ク ダ ブ ステップ・キック ダ ブ ステップ・スネア
2 ワブ ル ・キック ジャンパ ー・キック オールド・スクール・スネア
3 ハイブリッド 808 ハ イ ブ リッド ・ キック TR-808 スネア
4 アフロ・ストンプ アフ ロ・ スト ン プ ア ン ビ エ ント・ ス ネ ア
5 ジャンク ロート・タム・ハイ ジャンク
6 ワウ・ギター ワウ・ギター・アップ ワウ・ギター・ダウン
7 ポット ・ド ラ ム ポ ット ・ド ラ ム ・ ホ ー ル ポ ット ・ド ラ ム ・ ヒ ー ル
8 ティンバレス ティン バ レ ・ ミッド ティンバレ・ハイ/ハイ・リム
9 クラー べ&チャイム クラーべ ツリー・チャイム
0 スクラッチ&ボイス スクラッチ ボイス
演奏時のアドバイス
9
ELCajon 全体の音を大きくしたい
ELCajon の打面(前面)のスピーカー・ホール兼バスレフ・ポート
の前にマイクをセッティングし、アンプや PA 機器に接続することを
お勧めします。
アコースティック本来の音と、ELCajonのスピーカーから出る電子レ
イヤー音のどちらもマイクで拾ってください。
9
電子レイヤー音(特に低音)を大きくしたい
ELCajon のリア・パネルにある ELECTRONIC SOUND OUT 端
子を使って、電子レイヤー音を外部のアンプや PA 機器に出力し
ます。
外部 PA 機器から出力される ELCajon の音量は、PA 機器で調節し
てください。
9
電子レイヤー音を出したくない
左右 2 つのサウンド・グループ選択ボタンを同時に押すと、瞬時に
ミュート状態に切り替わります。再度同じ操作をするとミュートは解
除されます。
楽曲によって、また演奏の途中で電子レイヤー音色を鳴らさない場
合は、この操作でミュートのオン/オフを調節してください。
9
電池の消費電力を節約したい
5
演奏時以外は、電源をオフにしてください。
5
MIX IN 端子に外部のオーディオ機器をつなぎ ELCajon で常に
曲を再生しながら演奏すると、通常の演奏時以上に電池の消費
量が多くなります。長時間にわたって楽曲の再生をする場合は、
AC アダプターを使って電源を供給するか、オーディオ機器を
PA などで再生するようにしてください。
エ レ クト ロ ニック・レ イ ヤ ード・カ ホ ン
ELCajon EC-10
© 2015 ローランド株式会社
日本語
取扱説明書
本機を正しくお使いいただくために、ご使用前に『安全上のご注意』と『使用上のご注意』(『安全上のご注意』チラシ)をよくお読みください。お読みになったあとは、
すぐに見られるところに保管しておいてください。
主な仕様
ローランド EC-10:エレクトロニック・レイヤード・カホン(ELCajon)
電源
AC アダプター(DC5.7V)
アルカリ電池(単 3 形)×6
消費電流 250mA
連続使用時の電池
の寿命
通常演奏での使用:約 12 時間
最大負荷での使用:約 6 時間
※ 電池の仕様、容量、使用状態によって異なります。
外形寸法 295(幅)×298(奥行)× 495(高さ)mm
質量(電池含む) 6.0kg
付属品
取扱説明書、「安全上のご注意」チラシ、AC アダプター、保証書、
ローランド ユーザー登録カード
※ 製品の仕様や外観は、改良のため予告なく変更することがあります。