Shodex SI-36 4D (IC) 取扱説明書

  • Shodex IC SI-36 4DとIC SI-90Gイオンクロマトグラフィーカラムの取扱説明書を読み終えました。カラムの仕様、使用方法、洗浄方法、保管方法など、様々な情報が含まれています。このカラムに関するご質問がありましたら、お気軽にお尋ねください。
  • 使用可能な溶媒は何ですか?
    カラムの洗浄方法は?
    カラムの保管方法は?
    カラムの理論段数の算出方法は?
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カラム取扱説明書
Shodex IC SI-36 4D
カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要
警告 分析に使用する溶媒や試薬は、製造元が発行する安全データシート(SDS)を確認し、
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱うは、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またはS/N)が記載
されていますので確認してください。
(3) 検査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびShodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex IC SI-36 4Dは、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水酸化物系溶離液を用いたサプレッサー方式の
イオンクロマトグラフィー(陰イオン分析)用カラムです。フッ化物イオン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン
硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどの標準無機イオンに加え、亜硫酸イオンも分離可能です。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ
(mm)
粒径
(μm)
理論段数
カラム 1本当たり)
内径
長さ
F6999361
IC SI-36 4D
4.0
150
3.5
8,500
以上
F6709620
IC SI-90G
4.6
10
9
(ガードカラム)
充てん剤
級アンモニウム基を化学結合したポリビニルアルコール系多孔質粒子
カラム材質
カラム末端接続ネジ
オシネジ型
出荷時封入液
硫酸ナトリウム水溶液
炭酸ナトリウム
炭酸水素ナトリウム水溶液
4. 使用可能条件
製品名
流量
(mL/min)
最大圧力
MPa/カラム) pH 範囲 温度
(
)
常用
最大
推奨
範囲
IC SI-36 4D
0.7
0.9
20
3 ~ 14 30 20 ~ 60
IC SI-90G
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使用可能な溶媒は、以下の通りです。
(1) 一般的には、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液を使用します。
(2) 基本の溶離液は、25 mM 水酸化カリウム水溶液です。溶離液濃度を上げると溶出力が高くなります
(3) アセトニトリルは 100 %まで使用可能です。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
5. 溶離液の調製
(1) 溶離液に用いる水は、超純水製造装置で用時調製した比抵抗値 18.2 MΩ-cm の超純水を使用してください。
(2) 水酸化カリウム水溶液、または水酸化ナトリウム水溶液の調製には、自動溶離液調製デバイスを使用してください。
やむを得ず手動で調製する場合は、試薬特級グレードの水酸化カリウム水溶液、または水酸化ナトリウム水溶液
超純水で希釈してください。
(3) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(4) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラン
フィルタ(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封後、長時間経過したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起き
いる可能性があります。
※溶離液は、用時調製したものを使用してください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
※溶離液を手動で調製する場合は、炭酸ガストラップカートリッジ付きの溶媒容器に入れてください。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 粒子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめ
メンブランフィルタ(0.45 μm)などでろ過してください
(2) 試料注入量はカラム 1あたり 10 ~ 25 μL 以下が目安です。0.1 mg/L 下の低濃度試料を注入する場合は、
注入量を 100 ~ 200 μL に増やすと検出感度が向上します。
(3) タンパク質を含む試料は、除タンパクを行ってください。除タンパクは、限外ろ過膜を通す方法が適しています。
(4) 疎水性不純物を含む試料は、固相抽出などで除去してください
注意 試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります。
試料濃度が高すぎたり、試料注入量が多すぎるとカラム本来の性能が十分に発揮できず、ピーク形状の
異常や分離不良、再現性の低下などにつながるおそがあります。そのような場合は、試料溶液の希釈
や注入量の減少を適宜行ってください
参考 ※分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
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7. カラムの使用方法
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクタ流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させる
おそれがあります
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られているラベルシール確認しFlow 方向(へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接続
してください。ガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 流量を 0.35 mL/min 以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度に
なるまでは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
(4) 回使用時は、カラムに溶離液0.35 mL/min の流量で 30 分以上通液してからプレッサーに接続して
ください。出荷時封入液に置換したカラムを再度接続する場合も同様です。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、0.35 mL/min 以下の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります。
カラムを加温して使用した後は、流量を 0.35 mL/min 以下下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
参考 使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、0.35 mL/min 以下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 量を通液してください
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7-4. カラムの洗浄
流路系や試料不溶性物質または吸着性物質がカラム内蓄積するとで溶出挙動や圧力変化が生じ
ことがあります。このような場合は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定してください。これで改善する場合は
ガードカラムに原因がある可能性が高いた、ガードカラムを洗浄てください。
ガードカラムを外しても改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラム両方を洗浄してください。なお、ガード
カラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。また、分析カラムを複数本連結して使用している場合は、
それぞれ 1本ずつ個別に洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃
容器で受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
(1) 不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以
の流量で通液することにより取り除けることがあります。
(2) 吸着性物質の具体的な洗浄方法は下記の例を参考にしてください。カラム洗浄時は、カラムを逆向きにつな
替えてください。流量は0.35 mL/min で行ってください。
(洗浄例 1 親水性物質による汚れ
洗浄液
通液時間
(1)
15
(2)
100 mM
水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液
50
(3)
15
(4)
溶離液(カラム接続を正方向に戻してから送液)
50
(洗浄例 2 疎水性物質による汚れ
洗浄液
通液時間
(1)
15
(2)
/
アセトニトリル
=95/5
10
(3)
アセトニトリル
50
(4)
30
(5)
溶離液(カラム接続を正方向に戻してから送液)
50
注意 洗浄液のまま長時間封入するとカラムの劣化を早めるおそれがあります。カラム洗浄後は速やかに
溶離液に置換してください。
100 mM 水酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリ性溶媒は、検出器のセルを傷める可能性が
あります。検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で受け取るようにしてください。
8. カラムの保管
使用中の溶離液で保存する場合は、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、冷蔵庫にて保管してください。冷蔵
保存しない場合は、出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ
(冷暗所)で保存してください。溶離液の置換については、「7-3. 溶離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
※出荷時封入液に置換する時は、サプレッサーを外してから出荷時封入液を通液してください。
※冷蔵保存したカラムを使用する時は、カラムを室温に戻してから栓を外し、装置に接続してください。
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9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品CERTIFICATE OF ANALYSISに記載されていますので確認してください。Shodexでは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用しております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合は、CERTIFICATE OF ANALYSIS に記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムには、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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