Tsubaki belt sprocket ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル
2 3
タイミングベルト・プーリを安全にお使いいただくために
※ご使用の前に必ずお読みください。
用 途
機能・性能
注意 各ベルトのカタログ・設計資料に記載されている適用及び許容範囲外では使用しないでください。早期破損の恐れ
があります。
注意 水、油、化学薬品、ペイント、粉塵などがベルトやプーリに付着すると、伝達力の低下、早期破損の原因となります。
注意 ベルトは高速運転では騒音が大きくなることがあります。その場合は、防音カバーを設置してください。
保管・輸送
注意  質量の大きいベルトやプーリを運搬、取扱うときは、質量に適した運搬器具、装置などを使用してください。
手で持ち上げると腰などを痛めることがあります。
注意 
ベルトを無理に折り曲げたり、質量のある物を置いて輸送または保管しないでください。ベルトに癖や傷が
つい
て早期破損の原因となります。
注意  ベルトは小さく折り曲げないでください。曲げ限度の直径はピッチの4倍です。小さい径に折り曲げますと心線
が折れ性能が著しく損なわれます。
注意 
ベルトは温度10 〜 40℃で湿度の低い場所に保管してください。また、保管中ベルトに直射日光が当たらないよ
うにしてください。
製品のご使用に際しては、カタログや取扱説明書などをよくお読みいただくとともに、以下の項目について十分注意を払い、
正しい取扱いをしていただくようお願いします。なお、それぞれの項目の安全に対する影響度は、次のように区分しています。
警告
注意
取扱いを誤った場合に、使用者が死亡または重傷を負う可能性が想定される場合。
取扱いを誤った場合に、使用者が傷害を負う危険が想定される場合及び物的損害のみの発生が想定される場合。
警告 
ベルトの切断によって装置が空転、自走または停止し、人身事故、重大事故につながると予想されるときは、
必ず安全装置を別途に設けてください。
警告 ベルトを吊り具、牽引具として使用しないでください。
警告 
ベルト伝達装置で発生する静電気により、火災や制御機器の誤動作が予想される場合は、装置側に除電機構を設け
てください。
注意 
ベルトは絶縁体として使用しないでください。絶縁特性はベルト種類によって異なりますので当社にお問い合わ
   せく
ださい。
注意 ベルトが直接食品に触れる場合には、食品衛生法に適合したベルトを使用してください。
注意 ベルトには追加工をしないでください。ベルトの品質、性能を損ないます。
2 3
取付・稼働
警告
 
警告
注意
 
注意 
注意
 
注意
 
注意
 
注意 
 
 
 
 
 
ベルト・プーリを含めた回転部分には必ず安全カバーをしてください。髪や手袋、衣服などがベルト、プーリに
巻き込まれる恐れがあります。また、ベルトの切損、プーリの破損が発生した場合、飛び出した破片で怪我をす
る恐れがあります。
ベルト・プーリの保守、点検及び交換作業は、以下の項目を守ってください。
 1)必ずスイッチを切り、ベルト・プーリが停止してから行ってください。
 2)ベルトを取外すことにより機械が動き出す恐れのある場合は、あらかじめ機械を固定してから作業を行って
   ください。
 3)作業中不慮にスイッチが入らないようにしてください。
ベルトまたはプーリを交換する場合、使用されていたものと同等の品種のものを使用してください。品種が異な
ると早期破損の原因となります。
プーリアライメントに狂いがあると、ベルトの早期破損やフランジ脱落の原因となります。調整を行ってください。
ベルトの交換はベルト張力を緩めてから行ってください。無理にプーリのフランジを乗り越えさせたり、ドライ
バなどでこじ入れると早期破損の原因となります。
ベルトの取付張力はカタログ・設計資料による適正な張力としてください。不適切な張力はベルトの早期破損や
軸破損の原因となります。
プーリに追加工をして使用されるときは、次の事項を実施してください。
 1)加工部分のバリ、鋭角の除去
 2)加工後の寸法精度の確保
 3)加工後のプーリの強度の確保
プーリにフランジを組付けるときは、プーリ本体とフランジのはめ合い部に異物がないことを確認し、ガタのな
いよう固定してください。不適切な固定はフランジ外れの原因となります。また、フランジは他社プーリおよび
他の用途で使用しないでください。当社プーリとの組み合わせを想定した設計です。
点検
使用期限
注意 ベルト・プーリは定期的に点検し、異常が見られた時は交換してください。
注意 
ベルトは化成品のため、材質の経年変化を伴います。最長でも5年毎の定期交換をお勧めし
ます。
注意 ベルトを燃やさないでください。有害なガスが発生する場合があります。
使用済み品の取扱い
4 5
目  次
■タイミングベルトプーリを安全にお使いいただくために ・・・・・・・・・・・・・・・
■目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■構造 ・ 名称・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■レイアウト設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
使 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
調 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■プーリの加工組付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
タ ッ プ 加 工・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
フ ラ ン ジ の 固 定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プーリのア ラ イ メ ン ト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ロックプーリ S タイプ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
取付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
取付け時の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
取外し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一般注意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ロックプーリ N タイプ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
取付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
取外し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一般注意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ベルトの取付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベ ル ト の 取 付 け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベ ル ト の 取 付 張 力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
音波式ベルト張力計 ベルトテンションメータ T-ACE® ・・・・・・・・・・・・・・
取付張力一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■定期点検・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
定期点検要領(1カ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
定期点検要領(3 カ月毎)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■事故と対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
破損形 態 と 対 策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベ ル トプ ー リ の 破 損 形 態・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
4
5
6
6
6
7
7
7
7
8
8
8
8
9
10
10
10
10
10
11
12
12
12
12
13
13
13
13
14
15
15
15
16
17
17
19
4 5
構  造 ・ 名  称
背ゴム
心 線
歯ゴム
歯 布
耐久性、耐摩耗性を向上させた
クロロプレンゴム(または高強度
合成ゴム)により、心線を保護し
長寿命を可能
にしました。
伸びが極めて少ない高抗張力グラ
スファイバー(またはアラミド繊
維)を使用し、高精度伝動を可能
にしました。
背ゴムと一体成形された歯ゴムは、
高負荷のかみ合い伝動を可能にし
ました。
耐摩耗性および自己潤滑により
スムーズなかみ合いと低騒音を可
能にしました。
ベルト長さ
 ベルトの全長(周長)をミリメートルで表します。
 なお、ベルトピッチ×ベルト歯数=ベルト長さ(mm)となります。
ベルト歯形
 当社独自の高性能歯形(PX 歯形)です。
ベルトピッチ
 歯と歯の間隔を表します。
ベルト幅
 ベルトの全幅を表します。
6 7
レイアウト設計
r/min
ὀ㸧UPLQࢆࡇ࠼ࡿሙྜࡣᙜ♫࡬࠾ၥ࠸ྜࡏࡃࡔࡉ࠸ࠋ
P2M
P3M UP3M
P5M UP5M
P8M UP8M
P14M UP14M
16
14
18
24
28
10.19
13.37
28.65
61.12
124.78
900
16
14
20
26
28
10.19
13.37
31.83
66.21
124.78
18
16
24
26
28
11.46
15.28
38.20
66.21
124.78
20
18
28
28
34
12.73
17.19
44.56
71.30
151.52
900
1200
1200
1800
1800
3600
do×8
do
Do
Do
C
Ci
Co
do×8
do
Do
Do
C
Ci
Co
do×8
do
Do
Do
C
Ci
Co
6 7
レイアウト設計
P2M P3M P5M
UP3M UP5M
P8M P14M
UP8M UP14M
1500
1500 1000
1001 2000
1001 2000
3
5
10
15
10
3
5
10
15
15
Co
Ci
mm
0.30.6 0.3
do×8
do
Do
Do
C
Ci
Co
8 9
プーリの加工・組付け
30
4
30 50
8
50 12 0
12
12 0250
16
mm
12 0
4
12 0250
6
250 450
8
450 650
12
mm
34
6-M5 =10
7
8 9
プーリの加工・組付け
mm 30 30 50 50 100 100
17 13 10 6
5
1000
4
1000
3
1000
2
1000
Do
Do
10 11
ロックプーリ S タイプ
10 11
ロックプーリ S タイプ
Ra
■【メッキなし アルミ】 ボルトと締付トルクM
スリーブ枠番 ボルトサイズ ボルト締付トルク
Nm {kgfm}
S1 M4x16 4.2 {0.43}
S2 M5x18
8.3 {0.85}S3S4 M5x20
S5 M5x22
S6 M6x25 16.8 {1.71}
S7 M8x30 40.5 {4.13}
■【メッキ仕様】 ボルトと締付トルクM
スリーブ枠番 ボルトサイズ ボルト締付トルク
Nm {kgfm}
S1 M4x16 3.4 {0.35}
S2S3S4 M5x20 6.8 {0.69}
S5 M5x25
S6 M6x25 13 . 6  {1.39}
S7 M8x30 32.8 {3.35}
ボルトの締付順序例
1
7
4
6
8
3
5
2
12 13
ロックプーリ N タイプ
L1
■ナット締付トルクM
スリーブ枠番 ナットの二面幅寸法
mm
ナット締付トルク
Nm {kgfm}
N1 18 18   {1.84}
N2 22 28  {2.86}
N3 30 65  {6.63}
N4 36 100 {10.20}
N5 41 13 0  {13.27 }
N6 46 200 {20.41}
12 13
ベルトの取付け
F
t
F
B
C
A
F
Nkgf
Ti Nkgf
Y
mm 0.016 t
t mm
Cmm
Dp mm
dp mm
L mm
t C2
4
Dp dp 2
F
Ti
16
t Y
L
t
R
取扱説明書
つばきチャンネル 操作方法 説明動画
14 15
ベルトの取付け
Ti
Ti N {kgf}
2Ti sin 2
種類
ベルト幅
mm
取付張力 Ti N {kgf} 補正係数 Y {kgf}
推奨値 最大値
P2M
4
5.90.67.80.810.01.0
6
9.81.013
1.316.11.6
10
17
1.726
2.728.22.9
P3M
P3M UP3M-HC UP3M-HY P3M UP3M-HC UP3M-HY
P3M UP3M-HC UP3M-HY
6
202.0293.039
4.0262.740
4.147
4.817.61.838.53.976.0
7.8
10
343.5545.568
6.9464.772
7.382
8.429.03.061.86.3118.212.1
15
555.6889.0105
10.7747.511812.012713.043.14.490.09.2167.717.1
P5M
P5MP5M-WUP5M-HC/HA
UP5M-HY
P5MP5M-WUP5M-HC/HA
UP5M-HY P5M P5M-W
UP5M
-
HC/HA
UP5M-HY
10
10811.012512.814715.016516.856.9
5.850.1
5.1102.710.5152.515.6
15
16717.019419.822523.025626.182.4
8.474.2
7.6152.015.5223.722.8
20
23824.326527.032333.036036.7139.0
14.2126.5
12.9200.720.5293.630.0
25
30431.033834.541242.044645.5201.0
20.5184.9
18.9249.125.4362.637.0
P8M
P8MP8M-W UP8M-HC/HA
UP8M-HY
P8MP8M-W UP8M-HC/HA
UP8M-HY P8M P8M-W
UP8M-HC/HA
UP8M-HY
15
22523.017718.0 255
26.029430.023524.029029.6151.3
15.4147.2
15.0190.619.4272.027.8
20
31131.724424.934735.440641.432433.139440.2193.0
19.7187.8
19.2246.025.1341.334.8
25
38239.030431.044445.351052.040841.650551.5233.0
23.8226.7
23.1299.930.6406.941.5
40
65767.053054.074075.586087.869070.484185.8346.6
35.4337.3
34.4455.146.4589.660.2
60
1040
106.183485.01150
117.31370
139.81100
112.21308
133.5488.3
49.8475.2
48.5652.266.5811.882.8
P14M
P14M
UP14M-HC/HA
UP14M-HY P14M
UP14M-HC/HA
UP14M-HY P14M
UP14M-HC/HA
UP14M-HY
40
990
101.079481.01020
104.11310
133.71050
107.11225
125.0635.5
64.8834.0
85.11044.3106.6
60
1500
153.01200
122.01581
161.32000
204.11600
163.31899
193.8973.2
99.31242.7126.81537.5156.9
80
2110
215.01690
172.02162
220.62810
286.72250
229.62597
265.01316.8134.41649.0168.32023.1206.4
100
2710
276.02170
221.02754
281.03610
368.42880
293.93308
337.61664.9169.92053.6209.62053.1209.5
120
3340
340.82680
273.03366
343.54450
454.13560
363.34043
412.62016.6205.82456.9250.72978.6303.9
14 15
定期点検
点 検 時 期 点検項目
使用開始 1 カ月後
または、
約100時間稼働後
異常の項目 外    観
歯部異常摩耗
(初期)
歯布が摩耗→交換必要
歯布繊維が毛羽立ち、ゴム質が取れて白っぽく変色し
歯布の布目が不明瞭になる。
歯底クラック
クラック。
①.初張力を点検し適正張力にする。
  ベルトは、使用初期に初期伸びが軸間距離の約0.1%程度出ることがあり、それ以後の定常伸びは非
常に少ない。
  故に使用開始 1 カ月後または、約 100 時間稼働後に初張力の調整を行う事によってベルトを最適な
状態に保つこ
  とができる。
②.外観を点検し下記異常があれば選定も含め再検討する。
また、取付方法や負荷に異常がないか点検する。
写真のベルトは「ウルトラ PX ベルト HC 仕様 UP8M–HC  UP4M-HC」を使用しています。
他のシリーズ・ピッチの場合、歯布とゴムの色が異なります。
16 17
定期点検
点 検 時 期 点検項目
3カ月毎
異常の項目 外    観
歯の摩耗
歯底クラック
クラック。
歯欠落
歯元クラックが進むと歯が欠け平ベルト状になることもある。
歯欠け部分で心線の露出が見られることもある。
異常摩耗
注)側面は鋭利なナイフで切ったような切断面が残っていれば、
正常である。
・角が丸くなっている。
・異常摩耗。(心線がほつれ出ている)
ベルト側面
裂き傷
ベルトが部分的に切断。
切断部以外の歯面に異物かみ込みにより傷が発生することもある。
プーリ
プーリ歯のベルトとのかみ合い部が摩耗し、かみ合って
いない部分と段差となる。歯面が荒れる。
歯面摩耗の進行過程
未使用ベルト
歯布が摩耗し本体ゴム
が見え始める
本体ゴムの量が歯面の
約 3 〜 4 割発生する
本体ゴムの量が多く
なり歯布がなくなる
点検回数を増やして
下さい ベルトを交換して下さい
外観を点検し、下記異常があれば交換する。
写真のベルトは「ウルトラ PX ベルト HC 仕様 UP8M–HC  UP4M-HC」を使用しています。
他のシリーズ・ピッチの場合、歯布とゴムの色が異なります。
16 17
事故と対策
現象(損傷の形態) 原因 対策
1. ベルトの切断 (a)、 (b)、 (c)
①過負荷(オーバーロード) ①被動体の慣性、原動機、使用条件などを点検する。
②過負荷(ショックロード) ②ベルトのサイズアップ、衝撃緩和機構を設ける。
③ベルトの折曲げ ③ベルトの運搬、保管、取付けに注意する。
④プーリ径が過小 ④プーリ歯数を許容最小歯数以上とする。
⑤機械の特性 ⑤稼働条件を確認する。(特に加速時のピークトルク)
⑥水による心線の劣化 ⑥防水カバーの設置、耐水仕様のベルトに交換する。
⑦異物のかみ込み ⑦環境を改善する、カバーを付ける。
⑧ベルトのフランジへの乗り上げ ⑧ベルトの取付張力を適正にし、軸の平行度を正確にする。
2. ベルト歯の摩耗 (d)
①過負荷(オーバーロード) ①被動体の慣性、原動機、使用条件などを点検する。
②取付張力の過大 ②取付張力を適正にする。
③プーリの歯形および歯部寸法不良 ③正しい歯形・寸法のプーリと交換する。
④粉塵雰囲気における使用 ④雰囲気を改善する、カバーをつける。
⑤取付張力の不足 ⑤取付張力を適正にする。
⑥プーリの外径異常 ⑥適正なプーリに交換する。
⑦歯飛び ⑦「4. ベルトの歯飛び」参照
⑧ベルトの能力不足 ⑧使用条件を確認し、適正なサイズのベルト・プーリに
 交換する。
3. ベルト歯底の摩耗 (e)
① ベルトの張り過ぎ(過張力) ①取付張力を適正にする。
②ベルトの能力不足 ②使用条件を確認し、適正なサイズのベルト・プーリに
 交換する。
4. ベルトの歯飛び
①過負荷(ショックロード) ①ベルトのサイズアップ、衝撃緩和機構を設ける。
②ベルトの取付張力の不足 ②取付張力を適正にする。
③かみ合い歯数の不足 ③プーリ歯数を大きくする、アイドラによりかみ合い
 歯数を多くする。
④ベルトをかける装置の剛性不足 ④剛性を持った装置とする。
5. ベルト歯のせん断(欠損)( f )
①過負荷
 
(オーバーロード、ショックロード)
①原動機の仕様、被動機の慣性、使用条件を確認する、
 あるいはベルト・プーリをサイズアップする。
②取付張力過大 ②取付張力を適正にする。
③取付張力不足 ③取付張力を適正にする。
④ベルトの能力不足 ④使用条件を確認し、適正なサイズのベルト・プーリに
 交換する。
⑤プーリの歯形もしくは歯部の
 寸法不良 ⑤正しい歯形・寸法のプーリに交換する。
⑥粉塵雰囲気における使用 ⑥雰囲気を改善する、カバーをつける。
⑦プーリとのかみ合い歯数の不足
⑦使用条件を確認し、適正なサイズのベルト・プーリに交換
する。(プーリの歯数を増やす、あるいはアイドラを設け
てかみ合い歯数を増やす)
⑧ベルトをかける装置の剛性不足 ⑧剛性を持った装置にする。
点 検 時 期 点検項目
3カ月毎
18 19
事故と対策
現象(損傷の形態) 原因 対策
6. ベルト側面のムシレおよび摩耗 (g)
①軸の平行度不良 ①平行度を正す。
②プーリの整列不良 ②整列を正す。
③ベルトをかける装置の剛性不足 ③剛性を持った装置にする。
④フランジの曲り ④フランジを交換するか、修正する。
⑤プーリアライメントの不良 ⑤プーリアライメントを調整する。
⑥ベルト軸に対しプーリ径が小さい ⑥プーリを適正な径に変更する。
7. ベルト歯面の縦列キズ (h)
①プーリ端部へのベルトのはみ出し
 走行 ①プーリの整列、軸の平行度を正す。
②ベルトのフランジへの乗上げ ②ベルトの取付張力を適正にし、軸の平行度を正確にする。
③取付張力不足 ③取付張力を適正にする。
④ベルトの無理な取付け ④取扱いに注意する。
8. ベルト背面の摩耗
背面押しアイドラ軸の平行度の不良
①アイドラ軸の平行度を正す。
②背面押しアイドラの回転不良 ②アイドラの回転を良くする。
③ベルト背面に接するプーリの
 アライメント不良 ③プーリアライメントを調整する。
9. ベルト背面の硬化
① 高温によるベルトゴムの熱劣化 ① 雰囲気温度を下げる。
② 障害物との接触による発熱 ② 障害物を除去する。
③ 外アイドラプーリ軸受けの異常 ③ 発熱源を調査、改善する。
10. ベルト背面の亀裂 (i )
①プーリ径が過小 ①プーリ径を大きくする。
②低温雰囲気での使用 ②雰囲気温度を改善する。
③ オゾンによるゴムの劣化 ③オゾン発生源からの隔離する。
④プーリもしくはアイドラ径が
 小さすぎる ④プーリ、アイドラを適正な径に変更する。
⑤高温雰囲気での使用 ⑤雰囲気温度を改善する。
11. ベルトの見かけ上の伸び 軸の移動による軸同士の接近 軸受を強固に取付け、衝撃の多い場合はストッパーで軸受の
移動を防止する。
12. ベルト背面のゴムの粘り、軟化 (j)
①背面押しアイドラのスリップ ①アイドラの慣性を小さくする。
②オイルの付着 ②
オイルが掛からない雰囲気に改善する、カバーを付ける。
③高温雰囲気での使用 ③雰囲気温度を下げる。
13. ベルトの膨潤 (k)オイルの付着 オイルが掛からない雰囲気に改善する、カバーを付ける。
14. プーリ歯の摩耗 ( l )
①プーリ材質の不適切 ①硬度の高い材料、歯面硬化あるいは表面処理により
 プーリに耐摩耗性を持たせる。
②粉塵雰囲気における使用 ②雰囲気を改善する、カバーを付ける。
③過負荷(オーバーロード) ③被動体の慣性、原動機、使用条件などを点検する。
④ベルトの張り過ぎ、緩み過ぎ ④取付張力を適正にする。
15.騒音
①取付張力の過大 ①取付張力を適正にする。
②過負荷(オーバーロード) ②ベルトをサイズアップする。
③軸の平行度、プーリの整列不良 ③軸の平行度、プーリの整列を正す。
④過剰設計 ④ベルトの幅を狭くする。
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事故と対策
現象 外 観 破損の特徴と推定原因
(a)
ベルトの切断
<破損の特徴>
切断した心線が比較的長く、数歯に及ぶ。
<推定原因>
・アライメント不良。
・異物かみ込みによる乗り上げなど。
(b)
ベルトの部分的切断
<破損の特徴>
・部分的に切断している。
・切断部以外の歯面にキズが見られることもある。
<推定原因>
・プーリのガイドフランジへの乗り上げ。
・異物のかみ込み。
(c)
ベルトの早期破断
<破損の特徴>
・ベルト歯に対して平行に切断している。
・心線も短く揃って切断している。
<推定原因>
・保管時や組付時に過度に折り曲げたために心線が破断
していた。
・プーリ径が小さ過ぎたため心線が破断した。
(d)
ベルト歯の摩耗
<破損の特徴>
・歯布の毛羽立ち、白っぽく変色、布目が不明瞭になる
 など。
・歯布が摩耗し、ゴムが露出している。
・ベルト歯がやせ細る。
・ベルト歯底の歯布が摩耗し、心線が露出している。
<推定原因>
・過負荷(オーバーロード)
・取付張力過大。
・取付張力不足。
・ベルトの能力不足。
・プーリの歯形もしくは歯部の寸法不良。
・粉塵雰囲気での使用。
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事故と対策
現象 外 観 破損の特徴と推定原因
(e)
ベルト歯底の摩耗
<破損の特徴>
・ベルト歯底の歯布が摩耗し心線が露出している。
<推定原因>
・取付張力過多による歯底布の摩耗促進。
・ベルト選定ミス ( 能力不足 )。
(f)
ベルト歯のせん断破壊
<破損の特徴>
・ベルト歯の歯元にクラックが発生している。
・ベルト歯が欠落している。
<推定原因>
・過負荷 ( オーバーロード、ショックロード )。
・取付張力過大。
・取付張力不足。
・ベルトの能力不足。
・プーリの歯形もしくは歯部の寸法不良。
・プーリとのかみ合い歯数の不足。
・装置の剛性不足。
・粉塵雰囲気での使用。
(g)
ベルト側面のムシレおよび摩耗
<破損の特徴>
・側面の角がとれて丸みを帯びている。
・側面のゴムがむしりとられたような状態になっている。
・心線がほつれて露出している。
<推定原因>
・軸の平行度不良。
・プーリの整列不良。
・装置の剛性不足。
・プーリのガイドフランジの変形。
(h)
ベルト歯面の縦列キズ
<破損の特徴>
・ベルト歯に対して垂直方向にキズがある。
<推定原因>
・プーリ端部にはみだしての走行。
・プーリのガイドフランジへの乗り上げ。
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Tsubaki belt sprocket ユーザーマニュアル

タイプ
ユーザーマニュアル