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寄生のロードレジスタンス(負荷抵抗)によるシグナルパワーの犠牲を伴わないで、メーカー仕様のローディ
ング・レジスタンス、もしくは、それに近いスペックで、好みのMCカートリッジの試聴テストが出来ます。
故意にカートリッジのターミネイションを緩やかに、または、極端に間違って変化させると、興味深い音色の
変化が、体験できます。“正しい”設定は、究極的には、使用するカートリッジ、試聴する音楽のタイプ、他
のシステム機材に依存しますが、しかし、何と言っても、最も重要なのは、
個人的な好みです。技術的に“間
違った”設定でも、制限された状況では、おそらく、音楽的に“正しい”でしょう。この場合、技術的に間違
った設定でも、システムに関与した機材に、なんら害をあたえることは、ありません。
MM 入力の場合、カートリッジの出力レベルは高いので、標準 47kΩロードレジスタンスである最も時計回
りのスイッチ位置により、レジスター・ターミネイションは、固定されます。これらの MM カートリッジは、
25 と 400Ω間のローインピーダンスを駆動するので、MM と MC の両方の入力を通じて、試聴できます。 こ
れにより、型にはまらない入力方法で、最適な音質を発見できるでしょう。 つまり、
“実験”です! 固定観念に縛られて、自分を規制してはいけません。それどころか、自分で何でもためすこ
とを試みてください。
4. SWITCH-SELECTABLE CARTRIDGE TERMINATION CAPACITANCE on the front panel yet!
(ターミネ-ション静電容量の選択スイッチがフロントパネルに!)
ターミネ-ション静電容量は、10pF 刻みで 1100 ピコ・ファラッドまで、各チャンネルに、独立して、装備
されます。ターミネ-ション静電容量は、ゲイン・ステージ入力で供給され、入力セレクターやゲインスイッ
チ変更によって、影響されません。ターミネ-ション静電容量は、どのくらいケーブルに帰するのか決める為
に、フォノ・インターコネクトケーブルのカタログか、製造元に精確な情報を相談してください。それから、
その数値を、目的の静電容量のターミネ-ション値から差し引いてください。
インターコネクト製造業社が、静電容量値を知らない場合は、最初に、下記の例に従ってためしてください:
代表的なフォノインターコネクトケーブルは、約 30pF/30.48cm の内部静電容量を持っています。
インターコネクトケーブルが、3 フィート(91.44cm)であれば、インターコネクトケーブル本体の入力静電
容量は、約 91.44pF となります。カートリッジの製造元が、150pF の負荷静電容量であれば、ケーブル分(つ
まり、約 90pF)を差し引くのがベストとなり、60pF となります。試聴は、60pF にターミネ-ション静電
容量スイッチを設定して、スタートしましょう。
各カートリッジメーカーの製品は、抵抗と静電容量が決められた数値でターミネイトされるときに、はじめて、
製品の仕様を最大限に発揮します。この場合、カートリッジにより創られたシグナルは、最大のパワー伝送で、
最小の“オーバーシュート”と“リンギング”、最もフラットな周波数レスポンス、そして、滑らかなロール
オフ特性で、プリアンプにおくられます。しかし、これらの設定が、最も音楽的に満足できる結果を、これが
最も重要なことなのですが、再生します。残念ながら、貴方のターミネ-ション好みは、必ず、予想に反して、
メーカー設定の基準から、逸れるでしょう。カートリッジメーカーが推奨するこれらの数値からインターコネ
クタケーブルの静電容量を差し引いた数値でスタートするのが得策です。推奨のカートリッジ負荷静電容量が
不明の場合は、デフォルト値は 150pF(ケーブルとターミネ-ション静電容量のスイッチ設定の総値)が、
良いでしょう。この値は、過去から現在まで事実上プリアンプメーカーによって使用される基準値と言えます。
この数値から、スイッチ設定を綿密に試して、自分がベストと思える数値を発見、体験してください。
ターミネ-ション静電容量を変化させるオーディオ的な影響はカートリッジのタイプやブランドで、実際に違
ってきます。 これは、市場にあるカートリッジの多様なソースインピーダンス特性によるものです。一般的
に、ターミネ-ションキャパシタンス値は、再生音の微妙な音像イメージや空気感を極端に変化させたり、高
周波コンテンツにおいては、再生音のスピード感やスピーカーとの距離感を変化させると考えられています。
LOAD Z スイッチ(ロードインピーダンス・スイッチ)と同様に、たとえ、最終設定が、カートリッジ・メー
カーのスペックと異なっても、最大の音質満足体験の為に、ターミネ-ション静電容量スイッチを自由に合わ
せて、自分の音創造を楽しんでください。
5. SWITCH-SELECTABLE AMPLIFIER GAIN(アンプゲインの選択スイッチ)
カートリッジの出力レベルとラインレベル・インターコネクト駆動電圧は、メーカー間で大きな隔たりがあり
ます。4-ステップ・アンプブロックのゲインコントロールは、カートリッジの感度差だけでなく、これらの差
にも順応できるように設計されてます。 5dB ステップで 50dB から 60dB までのゲイン選択ができます。
ゲイン数値は、1kHz でのアンプゲインを示します。プリアンプは、20Hz では 20dB(10 倍)高く、20,000Hz
では、20dB(10 分の 1)低くなります。MC ステップアップ・オートフォーマーは、カートリッジのインピー
ダンスとロードスイッチ設定にもよりますが、約 2dB から 12dB の割増電圧ゲインが、供給されます。