Carbolite Gero TF1 16/60/300 取扱説明書

設置、操作に関する作業指示書

1600°C Tube Furnace - TF1 300mm ø60mm

TF1 16/60/300

MJP-TF_1660300-IO (26-04-2023)

本取扱説明書は表紙に指定されているｶｰﾎﾞﾗｲﾄ･ｹﾞﾛ製品のご使用の手引きとなるものです。電気炉ま

たはｵｰﾌﾞﾝを開梱および使用される前に、本取扱説明書をしっかりお読みください。ﾓﾃﾞﾙ詳細およびｼﾘｱ

ﾙ番号は本取扱説明書の裏面に記載されています。本製品は本来の目的にご使用ください。

1.0 はじめに 5

1.1 適用範囲および目的 5

1.1.1 責任 5

1.2 ご使用前の注意事項 6

2.0 安全性 7

2.1 記号および警告 7

2.2 オペレーターの安全 8

2.3 リスク予防策および残余リスク軽減策 9

2.4 安全に関する警告 -耐火繊維断熱材 10

3.0 製品の概要 11

3.1 製品定格ラベル 11

3.2 各部の名称 12

3.3 制御ボックス入力 /出力部の各部の名称 13

3.4 製品ラベル 14

3.5 寸法 15

4.0 仕様 17

4.1 別売りアクセサリー 17

5.0 電気的仕様 18

5.1 ヒューズおよび電源設定 18

5.2 運転 /保管環境 19

6.0 別売りアクセサリー 20

6.1 作業管のエンドシール 20

6.2 断熱プラグ /輻射熱シールド 22

6.2.1 断熱プラグ /輻射熱シールドの取り付け 23

6.2.2 作業管パッケージ、空気用 (垂直型) 24

6.3 プローブ熱電対 (オプション) 24

6.3.1 カスケード制御 25

6.4 イナートガスパッケージ (スタンダード /アドバンスド) 26

6.5 ガス安全システム 26

7.0 設置 27

7.1 手作業 27

7.2 開梱作業 27

2

7.2.1 垂直型：27

7.3 設置場所と設定 28

7.4 エンドガードの取り付け 29

7.5 加熱エレメントの取り付け 31

7.5.1 加熱エレメント、ロッドが長いタイプ 32

7.6 加熱エレメントの接続部 34

7.7 作業管アダプターの取り付け 34

7.8 断熱カラーの取り付け 36

7.9 作業管の取り付け 37

7.10 作業管サポート 39

7.10.1 水平型 39

7.10.2 垂直型 (垂直型スタンドおよび垂直式作業管サポートパッケージのみ) 39

7.11 制御ボックスから電気炉を取り外す 42

7.12 電気炉を垂直型スタンドに設置する 45

7.13 垂直型スタンドを水平面に固定する 47

7.14 垂直型マウント用ブラケットを表面に固定する 49

7.15 電気接続 51

7.15.1 単相接続 51

7.16 主電源ケーブル 51

7.17 電源ケーブルを内部端子に接続する 52

8.0 試運転 54

8.1 事前試運転 54

8.2 試運転 -初期機能の動作確認 55

9.0 操作 57

9.1 稼働サイクル 57

9.2 安全操作 58

9.3 冷却ﾌｧﾝ 58

9.4 作業管使用時の注意事項 59

9.4.1 ワークピース(加熱対象物)およびサンプルを挿入する 59

9.4.2 高温運転 59

9.4.3 加熱率 59

9.5 断熱材の亀裂 59

9.6 圧力 60

10.0 保守 61

10.1 一般保守 61

10.2 保守スケジュール 61

10.3 清掃 63

10.4 校正 63

3

10.5 アフターサービス 63

10.6 推奨スペアパーツとスペアパーツキット 63

10.7 保守手順 63

11.0 故障分析 64

A. 電気炉が加熱しない 64

B. 製品の過熱 65

C. 電気炉の低速昇温 65

12.0 使用停止、保管、廃棄処分 66

12.1 使用停止 66

12.2 保管 (長期間) 66

12.3 廃棄 66

13.0 適合宣言 67

適合宣言 67

4

1.0 はじめに

1.1 適用範囲および目的

本製品は、高温にて素材の加工および試験を行うための研究室環境において使用することを目的として

います。電気炉内に作業管が取り付けられており、加工に備えて対象の素材が作業管内にセットされて

いることを前提としています。

本機は、本取扱説明書に記載されている指示に従った上で必ず設置、作動、操作する必要がありま

す。しかるべき知識を有する者以外は、作業することはできません。

保守に関する作業内容については、ｶｰﾎﾞﾗｲﾄ･ｹﾞﾛにお問い合わせいただき、別途『保守説明書』を入

手してください。

備考:本製品が、Carbolite Gero が定義している本来の目的以外に使用された場

合、本機に備え付けられている保護機能が働かなくなる可能性があります。

備考:本取扱説明書に記載されている指示をお守りいただけない場合、誤用となり、その結果、

Carbolite Gero が用意している一切の保証が受けられなくなります。

1.1.1 責任

お客様にはリスク評価を独自に行い、本機を使用して加工する素材が、必要とされる温度にまで安全に

加熱するのに適しており、こうした素材を取り扱う上で、安全対策が講じられていることを確認する責任が

あります。

l可燃性または爆発を引き起こしたり、可燃性ガスを生成する可能性がある素材の場合、こうした

反応に対処できるように特別に設計されている特殊な機器が備え付けられているケースを除き絶

対に加工しないでください。

l十分な通気性を確保し、加工時に放出される煙を排出するために排煙設備を備え付ける必要が

あります。

本製品は改造したり、本来の目的以外に使用することはできません。

5

1.2 ご使用前の注意事項

本製品を作動および使用するのに先立ち、設置、運転、保守作業に携わる者は、全員以下の要件を

満たしている必要があります。

l本書を目を通し、記載されている内容を十分に理解していること

l本製品に関する安全および操作上の研修を受けていること

l本製品を安全に操作する上で求められる適切な PPE (個人用防護具)が支給されていること

備考:本製品をご使用になる前に、お客様には上記のすべての条件が満たされていることを確認する

責任があります。

備考:別段の定めがない限り、お客様には本製品を設置し、追加機器やガス管また

は液体燃料供給菅に安全に接続する責任があります。

備考:本書全体を通して、注意書きには絵文字(ピクトグラフ)が添えられています。絵文

字の色合いは、本製品に実際に貼付されているものとは異なる場合があります。

移動する部分は黄色で、取り付け先または取り外し元となる表面部分は青色で強調

表示されています。必要に応じて、移動方向を示す矢印が用意されています。

6

2.0 安全性

2.1 記号および警告

備考：本機に以下の警告記号が貼付されていたり、作業現場で掲示されている場合、しかるべき安

全対策を講じた上で安全注意事項をお守りください。

取扱説明書をよく確認した

上で、本機の操作または保

守作業を行うこと

本製品を電源から切り離して

から、保守作業を行うこと

保護ゴーグルを着用耐熱性のフェースシールドを

着用

耐熱性の手袋を着用呼吸装置を装着

安全靴を着用防護服を着用

2人以上で持ち上げる

危険：手では持ち上げられま

せん。特殊な装置が必要で

す！

警告！危険：感電の危険！

危険：火災の危険！危険：高温注意！

注意：

2極／中性線ヒューズ！

危険：

滑る危険！

危険：

荷物が吊下がっている危

険！

警告：

要換気！

7

注意：回転装置危険：

押しつぶされる危険！

危険：

爆発物 /爆発性雰囲

気！

この記号の横に記載されてい

る動作および行動はすべて

厳禁とします

本製品を使用して、食べ物

を調理したり、飲み物を温

めないでください！

廃棄しないでください！

WEEE (廃電気電子機器指

令)の規則に従って、リサイク

ルしてください！

2.2 オペレーターの安全

備考：本機を操作する必要がある者は全員が十分な教育を受けており、適切な PPE (個人用防護

具)を着用しているという決まりを順守することはお客様ご自身の責任となります。

Carbolite Gero では、本機を操作したり、本機の周囲で作業する間は、常に適切な PPE を着用して

おくことを推奨しています。

8

2.3 リスク予防策および残余リスク軽減策

リスク予防策

高温注意

l耐熱手袋など、適切な PPE を着用する

l本製品の上に物を置かない

l不燃性の表面部分に設置し、隣接する表面部もすべて不燃性

であること

要換気 l十分な通気性が確保された場所以外では運転不可

l必要に応じて、レンジフード内の換気扇を使用する

火災 /爆

発

l本機を操作できるのは、しかるべき知識を有する者のみとする

lしかるべきリスク評価が行われている素材以外は、加工することは

できない

危険物質

への暴露

l保護手袋、防塵マスク、保護ゴーグルなど、適切な PPE を着用

する

l断熱材を破損しないようにする

l詳細は、2.4 の項を参照

l不明点がある場合、Carbolite Gero のサービス窓口にお問い合

わせください

9

2.4 安全に関する警告 -耐火繊維断熱材

高温断熱ウールを使用した断熱材

耐火セラミック繊維(別名：アルミナシリカウール - ASW)。

本製品には、断熱材としてアルミナシリカウールが使用されています。この断熱材は、ブランケットまたは

フェルト状の場合や、板など特定の形状をなす場合、または綿状で使用されている場合があります。

通常の使用では、この素材から空気中に高濃度の煤塵が発生することはありませんが、保守や修理中

には濃度が高まる恐れがあります。

長期的健康被害の原因となるという証拠は報告されておりませんが、この素材を処理される際には、安

全対策を講じられるよう強く推奨いたします。

繊維粉塵にさらされると呼吸器系の疾患が発生する恐れがあります。

本断熱材を取扱う際には、必ず承認呼吸保護器具(RPE- FFP3など)や保護ゴーグル、手袋、長袖

の衣類を着用してください。

廃棄物を粉砕しないようにしてください。廃棄物は密封された容器に廃棄してください。

取扱いが終わったら、外気にさらされていた皮膚をまず水で洗い、その後石鹸(洗剤不可)で洗い流して

ください。作業服は他のものとは別に洗濯してください。

大がかりな修理を開始される前に、欧州の高温断熱ウール産業団体(www.ecfia.eu)の資料に目を通

されることを推奨します。

さらなる情報をご希望の場合には、弊社までご連絡ください。なお、ｶｰﾎﾞﾗｲﾄ･ｹﾞﾛサービスでは、現場で

の出張修理または Carbolite Gero工場での修理をお見積もり致しております。

10

3.0 製品の概要

3.1 製品定格ラベル

製品定格ラベルは、制御箱の側面に貼付されています。

備考：以下の画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

1 UKCA マーク

2Carbolite Gero の所在地およびホーム

ページ

3 CE マーク

4原産国

5製品モデル

6製造年

7WEEE (廃電気電子機器指令)の規則に

従って、廃棄処分すること

8製品のシリアル番号

9製品の最大温度

10 電力定格

11 周波数 (ヘルツ)

12 使用電圧

13 使用位相

14 電流 (アンペア)

11

3.2 各部の名称

1外側ケース

2エンドガード

3拡張用エンドガード (オプション)

4作業管

5水平型管サポートブラケット

6制御ボックス

7電源スイッチ

8制御器

9制御ボックスの足部

10 熱電対アクセスパネル

11 電線用導管

12 電気部品アクセスパネル

13 水平型マウント用ブラケット

14 冷却ファンガード

15 プローブ熱電対ソケット

(カスケード制御オプションのみ)

12

3.3 制御ボックス入力 /出力部の各部の名称

1警告！このパネルを取り外す前に電源を遮断する！

2加熱ランプ

3リレー入力部 (オプション)

4イーサネット接続ポート

5シリアル通信ポート (オプション)

6電源入力部

7電源出力部、加熱エレメントへ

8交流電流 (AC)

9熱電対入力部

13

3.4 製品ラベル

本製品を作動する前に、以下の製品情報および警告ラベルが所定の位置に貼られていることを確認し

てください。

1 Carbolite Gero のロゴ

2 Verder Scientific のロゴ

3製品ラベル

4警告：このパネルを取り外す前に電源を遮断する

5電気部品アクセスパネル

6警告：高温注意

7製品定格ラベル

8プローブ熱電対ソケットラベル (カスケード制御オプションのみ)

14

3.5 寸法

C制御ボックス設置時の高さ

D制御ボックスの高さ

E電気炉ケースの高さ

F制御ボックス導管の最小奥行き

G制御ボックスの奥行き

H電気炉ケースの奥行き

J作業管の最大長

K制御ボックスの幅

L電気炉ケースの幅

Mエンドガード装着時の幅

Pスタンドベースの幅

Qスタンドベースの奥行き

Rスタンドの高さ

S電気炉の高さ、垂直型スタンド使用時

T作業管の下に必要な最小隙間

Vセンターラインの高さ

X電気炉導管の最小奥行き

Yスタンドベースの高さ

15

備考：記載している寸法値はすべて、ミリメートル単位 (mm) で測定しています。

C D E* F G H J K L M P Q R S (最

小)

S (最

大)

T(最

小)

T

(最

大)

V* X Y

664 228 436 170 480 442 1020 587 712 914 750 800 1553 1281 1731 184 484 452 90 76

*

電気炉が、制御ボックスから切り離されており、足が取り付けられている場合、上記の表に記載されている数値は、以下のよ

うになります。

lE= 446

lV= 234

備考：電気炉は垂直型スタンドに取り付けて、いくつかの異なる高さ (通常は、50mm ごと)で使用

することが可能ですので、寸法値 SとTは電気炉をスタンドに取り付ける位置によって変わってきま

す。「最小」および「最大」値は、電気炉を一番上および一番下の位置に取り付けたときを意味しま

す。補助が必要であればｶｰﾎﾞﾗｲﾄ･ｹﾞﾛにお問い合わせください。

16

4.0 仕様

電気炉

最大温度 (°C) 1600

連続運転最大温度 (°C) 1500

最大電力 (kW) 1-ゾーン: 4

正味重量 (kg) 51

加熱長 (mm) 300

推奨される作業管の最小長 (mm) 800

推奨される作業管の最大長 (mm) 1020

制御ボックス

高さ x幅x奥行き (mm) 228 x 587 x 480

正味重量 (kg) 15

4.1 別売りアクセサリー

垂直型スタンド

高さ x幅x奥行き (mm) 1553 x 750 x 800

正味重量 (kg) 43.6

17

5.0 電気的仕様

本機は必ず接地する必要があります。

保護等級 (IP) 等級: 20

5.1 ヒューズおよび電源設定

相電圧 (V)

メインフューズ

(アンペア、タイプ、サイ

ズ)

電力低下率

(%)

一相 +ニュートラル

100* - -

110 - -

120 - -

200* 25, gG, 10x38mm 72

208 25, gG, 10x38mm 66

220 25, gG, 10x38mm 59

230 25, gG, 10x38mm 54

240 25, gG, 10x38mm 50

*100V

および

200V

モデルは、最大消費電力値が低く設定されている場合があります。このため、加熱率が若干低くなりま

す。詳細については、

Carbolite Gero

までお問い合わせください。

備考：

標準モデルに搭載されている補助ヒューズはすべて、定格が 2アンペアとなりますので、交換する際は

必ず、F2A HBC 5x20mm という仕様のヒューズをご使用ください。

アドバンスドイナートガスパッケージモデルに搭載されている補助ヒューズは、定格が 5アンペアとなりま

すので、交換する際は必ず、T5A HBC 5x20mm という仕様のヒューズをご使用ください。

備考：本製品に付属している電源ケーブルが取り外し可能な場合、前述の定格基準を満たしてい

ないケーブルと交換しないでください。

2極中性線ヒューズは、2ピンプラグを「どちらの方向にも」接続できるように

なっている国など、電源接続へ極性を反対にすることが可能なことで発生す

る故障を防ぐために、本製品で使用されている場合があります。

18

5.2 運転 /保管環境

本取扱説明書に記載されている製品は、電気部品を内包しているため、以下の条件に従って屋内で

保管および使用してください：

屋内または屋外での使用：屋内

高度：2000 メートル以下

温度：5°C - 40°C

相対湿度：31 °C までは 80 % 以下で、それを超えれば直線40 °C で50 %

まで直線的に減少

主電源の電圧変動範囲：±10%

過電圧区分分類上の区分 2

汚染度：汚染度 2

19

6.0 別売りアクセサリー

備考：本製品に機器を追加する場合には、Carbolite Gero 社から提供されるものを必ず使用して

ください。サードパーティ社製のアクセサリーは、Carbolite Gero 社の仕様に合うように設計されていな

いため、性能が低下したり、機器が破損したり、作業環境が脅かされる恐れがあります。

6.1 作業管のエンドシール

作業管の両端には、修飾雰囲気 (ガスまたは真空)を封じ込めるために、作業管のエンドシールが取り

付けられています。

標準的なエンドシール一式は、以下の構成部品で出来ています。

1シールプレート

2 O リングシール

3シールスリーブ Oリング

4シールスリーブ

5クランプ

6エンドプレートシール

7エンドプレート

8クランプ

備考：ご注文した作業管パッケージによっては、エンドプレートにガス注入口／配水管、熱電対グラン

ド、真空用接続金具を付属しています。

備考：シールスリーブ Oリング (品目 3) を使用すると、作業管とシールスリーブ内側の

へり部分の間でクッション代わりの役割を果たしてくれるため、作業管の端の保護機能が

さらに高まります。真空として使用する場合には、空気を取り込む働きをするため、作業

管の端に不要な圧力が蓄積される場合があります。このため、真空作業管パッケージで

エンドシールを取り付ける場合には、シールスリーブ Oリングは使用しない方が良いでしょ

う。

エンドシール一式を作業管に取り付ける:

lシールプレートを図示しているように、作業管の

端の上にセットします。

20

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