Shodex NH2P-40 3E (Asahipak) 取扱説明書

タイプ
取扱説明書
ver.20221202J
株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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カラム取扱説明書
Shodex Asahipak NH2P-40 3E
(カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要>
警告 分析に使用する溶媒や試薬を取り扱う際は、製造元が発行する安全データシート(SDS)
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります。
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱う際は、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります。
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial no.またはS/N)が記載
されていますので確認してください。
(3) 査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにはシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびは、Shodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex Asahipak NH2Pシリーズは、ポリマーゲル基材にアミノ基を結合させたカラムで、親水性相互作用クロマト
グラフィー(HILIC)やイオン交換クロマトグラフィーを利用した分析に適しています。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ (mm) 粒径
(μm)
理論段数
(カラム 1本当たり)
内径 長さ
F7630007 Asahipak NH2P-40 3E 3.0 250 4 8,500 以上
F6710030 Asahipak NH2P-50G 3A 3.0 10 5 (ガードカラム)
充てん剤 アミノ基を化学結合したポリビニルアルコール系多孔質粒子
カラム材質 SUS-316
カラム末端接続ネジ オシネジ型 No. 10-32 UNF
出荷時封入液 アセトニトリル
4. 使用可能条件
製品名 流量 (mL/min) 最大圧力
MPa/カラム) pH 範囲 温度範囲
()
常用 最大
Asahipak NH2P-40 3E 0.3 ~ 0.35 0.5 13 2 ~ 13 15 ~ 50
Asahipak NH2P-50G 3A
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使用可能な溶媒は、以下の通りです。
(1) 水とアセトニトリル、または水とエタノールの混合溶媒(任意比率)が使用可能です。アセトニトリルとエタノール以外
の有機溶媒は保証外です。
(2) 水以外にリン酸や酢酸などの酸の水溶液、アンモニアや水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液、リン酸塩、酢酸塩
などの各種緩衝液、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムなどの各種塩の水溶液も使用可能です。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
緩衝液(または塩の水溶液)と有機溶媒の混合溶媒を使用する場合は、塩が析出しないことを確認して
ください。
塩化ナトリウムなど腐食性の高い塩を使用する場合は、分析終了後、装置やカラムに塩が残らないように
洗い流してください。装置やカラムの金属部分が錆びるおそれがあります。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
ステンレス鋼を腐食する塩酸は使用しないでください
5. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラン
フィルター(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 水は、超純水製造装置で用時調製した水や開封直後の HPLC グレードの蒸留水を使用してください。
有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封後、長時間経過したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起きて
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液で溶解しにくい場合は、可能な限り
溶離液組成に近づけるようにしてください。グラジエント溶出する場合は、初期溶離液を用いて試料調製することを
お勧めします。
(例) 溶離液が水(緩衝液)/アセトニトリルで、アセトニトリル濃度が 50 % (v/v)以上の場合
試料が溶離液で溶解しにくい場合は、水(または緩衝液)で試料を溶解後、アセトニトリルを加えて 50 % (v/v)以上
のアセトニトリル水溶液とする
(2) 粒子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめ
メンブランフィルター(0.45 μm)などでろ過してください。
(3) 試料注入量はカラム 1本あたり 10 μL以下が目安です。
(4) タンパク質や脂質はカラムに吸着してカラムを劣化させる可能性があります。これらを多く含む試料の場合は、
あらかじめ除タンパク、脱脂を行ってください
注意 ※試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります。
試料濃度が高すぎたり、試料注入量が多すぎるとカラム本来の性能が十分に発揮できず、ピーク形状の
異常や分離不良、再現性の低下などにつながるおそれがあります。そのような場合は、試料溶液の希釈
や注入量の減少を適宜行ってください。
参考 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
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7. カラムの使用方法
7-1. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクター流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させ
おそれがあります。
7-2. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られているラベルシールを確認し、Flow 方向)へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接続
してください。ガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 流量を 0.15 mL/min 以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度に
るまでは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります。
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、0.15 mL/min 以下の流量で
通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります
カラムを加温して使用した後は、流量を 0.15 mL/min 以下に下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラム内で空隙が発生し、カラムを劣化させるお
それがあります。
参考 使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-3. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、0.15 mL/min 以下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液してください。
(1) カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒が混和するかどうかを確認してください。
(2) カラムに封入されている溶媒と混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または
溶解性のある溶媒組成に置換してから、使用する溶媒に置換してください。
(例) /アセトニトリルから高濃度の緩衝液に置換する時は、水を通液してから緩衝液に置換してください。
(3) グラジエント溶出を行う場合は、溶離液の組成変化に伴い、グラジエント溶出中にカラム圧力が使用可能最大圧力
を超えることがあります。使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
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注意 /アセトニトリルから緩衝液と有機溶媒の混合溶媒に置換する時は、予備平衡化として有機溶媒を
含まない緩衝液のみをカラム体積10 ~ 20 倍量を通液してから使用する溶媒に置換してください。
水とエタノールの混合溶媒や緩衝液のみに置換する場合は、予備平衡化は必要ありません。
緩衝液または緩衝液と有機溶媒の混合溶媒から水と有機溶媒の混合溶媒に置換する時は、カラムを
アルカリ洗浄してから置換してください。(「7-4. カラムの洗浄 洗浄例 1」を参照してください。
7-4. カラムの洗浄
流路系や試料中の不溶性物質または吸着性物質がカラム内に蓄積することで、溶出挙動や圧力の変化が生じる
ことがあります。このような場合は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定してください。これで改善する場合は、
ガードカラムに原因がある可能性が高いため、ガードカラムを洗浄してください。
ガードカラムを外しても改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラムの両方を洗浄してください。なお、ガード
カラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。また、分析カラムを複数本連結して使用している場合は、
それぞれ 1本ずつ個別に洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液
容器で受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
(1) 不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下
の流量で通液することにより取り除けることがあります。
(2) 吸着性物質の具体的な洗浄方法は下記の例を参考にしてください。カラム洗浄時は、カラムを逆向きにつなぎ
替えてください。流量は 0.17 mL/min で行ってください。
(洗浄例 1 簡易洗浄
洗浄液 通液時間
(1) 13
(2) 0.1 M 水酸化ナトリウム水溶 150
(3) 26
(4) 溶離液 75
(洗浄例 2 金属イオンの汚れがある場合、簡易洗浄で分離改善しない場合
洗浄液 通液時間
(1) 13
(2) 0.1 M 硝酸水溶液 150
(3) 13
(4) 0.1 M 水酸化ナトリウム水溶液 150
(5) 26
(6) 溶離液 75
注意 洗浄液のまま長時間封入するとカラムの劣化を早めるおそれがあります。カラム洗浄後は速やかに
溶離液に置換してください。
0.1 M 水酸化ナトリウム水溶液のような強アルカリ性溶媒は、検出器のセルを傷める可能性があります。
検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で受け取るようにしてください。
8. カラムの保管
出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存
してください。溶離液の置換については、「7-3. 溶離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
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9. カラムの検定方法
検定条件は、本製品のCERTIFICATE OF ANALYSISに記載されていますので確認してください。Shodexでは、
理論段数の算出は、「半値幅法」を採用しております。また、ピーク対称性の指標には、非対称係数(FAS)を採用して
おります。詳細につきましてはShodex WEBサイトを参照ください。
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
注意 理論段数や FAS は試料条件や分析条件が異なると値が大きく変わります。出荷時のカラム性能と比較
する場合は、CERTIFICATE OF ANALYSIS に記載の試料条件および分析条件に揃えて測定して
ください。
10. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムに、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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