SICK WSE26 取扱説明書

  • SICK WSE26PとWSE26Iスルービーム型光電センサの操作説明書の内容を理解しました。このデバイスの機能、設置方法、トラブルシューティングなど、あらゆる質問にお答えできます。例えば、LEDインジケータの意味や、複数のセンサを使用する際の注意点などについて説明できます。
  • センサの設置方法は?
    LEDインジケータの意味は?
    複数のセンサを使用する際の注意点
    テスト入力は何のためにあるのか?
    アラーム出力とヘルス出力の違いは?
説明されている製品
WSE26
メーカー
SICK AG
Erwin-Sick-Str.1
79183 Waldkirch
Germany
法律情報
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囲内でのみ許可されます。本書の内容を変更、削除または翻訳することは、SICK
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オリジナルドキュメント
このドキュメントは SICK AG のオリジナルドキュメントです。
2006/42/EC
NO
SAFETY
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99
コンテンツ
85 安全情報................................................................................ 101
85.1 一般的な安全上の注意事項.................................................................. 101
85.2 UL 認証に関する注意事項.................................................................... 101
86 正しいご使用方法.................................................................. 101
87 操作/表示要素........................................................................ 101
88 取付........................................................................................ 102
89 電気的設置............................................................................. 102
90 追加機能................................................................................ 104
91 コミッショニング.................................................................. 105
92 プロセスデータ構造.............................................................. 107
93 トラブルシューティング....................................................... 108
94 分解および廃棄...................................................................... 109
95 メンテナンス......................................................................... 109
96 技術仕様................................................................................ 110
96.1 寸法図...................................................................................................... 110
コンテンツ
100
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85 安全情報
85.1 一般的な安全上の注意事項
コミッショニング前に取扱説明書をよくお読みください。
本製品の接続取付コンフィグレーションは、訓練を受けた技術者が
行ってください。
2006/42/EC
NO
SAFETY
本製品は、EU の機械指令を満たす人体保護用の安全コンポーネントで
はありません。
コミッショニング前に、湿気や汚れから機器を保護してください。
本取扱説明書には、センサのライフサイクル中に必要となる情報が記載されて
います。
85.2 UL 認証に関する注意事項
The device must be supplied by a Class 2 source of supply.
UL Environmental Rating: Enclosure type 1
86 正しいご使用方法
WSE26 とは透過形光電スイッチ (以下センサと呼ぶ) で、物体、動物または人物な
どを光学技術により非接触で検知するための装置です。動作には投光器 (WS) お
よび受光器 (WE) が必要です。製品を用途以外の目的で使用したり改造したりし
た場合は、SICK AG に対する一切の保証請求権が無効になります。
87
操作/表示要素
WSO26x-xxxxxxA0 WEO26x-xxxxxx00 WEO26x-xxxxxx01 WEO26x-xxxxxx02
3 2
1
3 2
1
23
5
1
3 2
4
1
BluePilot 青:整列補助
2
黄色の LED 表示: 受光状態
3
緑色の LED 表示: 動作電圧有効
4
プッシュターン操作部: タイマー機能の設定
5
ティーチボタン: ライト/ダークオンの設定
安全情報 85
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101
88 取付
センサ (投光器と受光器) を適切な取付ブラケットに取付けます (SICK 付属品カタ
ログを参照)。投光器と受光器を互いに方向調整します。
注意事項
透過形光電スイッチひとつおきに、投光器と受光器の配置を入れ替え、透過形光電
スイッチ同士の間に十分な間隔を保ちます。
Receiver (WE)
Receiver (WE)
Sender (WS)
Sender (WS)
Sender (WS)
Receiver (WE)
図 50: 複数の透過形光電スイッチの配置
センサの締付トルクの最大許容値< 1,3 Nm を遵守してください。
89 電気的設置
センサの接続は無電圧状態で行う必要があります。接続タイプに応じて以下の情
報を遵守してください:
コネクタ接続: ピン割り当てに注意
ケーブル: 芯線色
すべての電気的接続部を接続してから供給電圧を印加、あるいは電源を入れてくだ
さい。
配線図に関する説明 (表 50 - 表 7):
アラーム = アラーム出力
ヘルス = アラーム出力
MF (ピン 2 設定) = 外部入力、ティーチイン、スイッチング信号
Q
L1
/ C = スイッチング出力、IO-Link 通信
テスト = テスト入力
U
B
: 10 ... 30 V DC
88 取付
102
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表 54: プッシュ / プル
Q
プッシュプル
( 100 mA)
+ (L+)
Q
‒ (M)
+ (L+)
Q
‒ (M)
Q
プッシュプル
( 100 mA)
+ (L+)
Q
‒ (M)
+ (L+)
Q
‒ (M)
90 追加機能
アラーム
アラーム出力: センサ (WEO26P、WEO26I) には、センサ能力が低下している場合
に通知する、故障前通知出力 (配線図 [参照 表 6] の「アラーム」) が備わっていま
す。その際 LED 表示灯が点滅します。考えられる原因: センサまたはリフレクタ
の汚れ、センサ位置のずれ。良好状態: LOW (0)、汚れがひどい場合: HIGH (1)。
ヘルス
ヘルス出力: センサ (WEO26P、WEO26I) には故障前通知出力 (配線図 [参照 表 6]
「ヘルス」) が搭載されており、センサ能力低下時またはケーブル断線時にこの出
力から通知が発せられます。考えられる原因: センサまたはリフレクタの汚れ、セ
ンサの調整不良、ケーブルの損傷。良好状態: HIGH (1)、汚れがひどい場合、また
はケーブル断線時: LOW (0)。その際黄色の LED 表示灯が点滅します。
表 55: アラーム / ヘルス
アラーム ( 100 mA) ヘルス ( 100 mA)
+ (L+)
Alarm
‒ (M)
+ (L+)
Health
‒ (M)
+ (L+)
Alarm
‒ (M)
+ (L+)
Health
‒ (M)
90 追加機能
104
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テスト入力
テスト入力: センサ (WSO26P、WSO26I) にはテスト入力 (参照 表 2 および表 7
「Test」) が搭載されており、これを使用して投光器をオフにして、センサが正しく
機能しているかどうかを点検することができます。LED 表示灯付きのメスケーブ
ルコネクタを使用する場合は、Test が適切に割り当てられていることに注意してく
ださい。
投光器と受光器の間に対象物があってはなりません。テスト入力をアクティブに
します (配線図 [表 7] を参照)。投光 LED がオフになるか、または対象物の検出が
シミュレーションされます。機能を点検するには、表 7 を参照します。スイッチン
グ出力が表 7 に従った動作を示さない場合は、使用条件を点検してください。トラ
ブルシューティングの項目を参照。
表 56: Test
Test M Test L+
+ (L+)
Test
‒ (M)
+ (L+)
Test
– (M)
+ (L+)
Test
‒ (M)
+ (L+)
Test
– (M)
91 コミッショニング
1
光軸調整
WSO26P: 投光器の向きを受光器に合わせます。赤色の投光軸が受光器に照射される
ように、位置決めします。ヒント: 白紙またはリフレクタを光軸調整の補助手段として
使用してください。投光器から受光器への視界が遮られたり、照射経路に対象物があ
ってはなりません [参照 図 51]。センサの光開口部 (フロントカバー) が全く遮られな
いよう注意してください。
WSO26I: 投光器の向きを受光器に合わせます。赤外光 (不可視) が受光器に照射され
るように位置決めします。向きが正しいことは、表示 LED でしか認識できません:
照 図 51図 52 および参照 表 54。投光器から受光器への視界が遮られたり、光路に
対象物があってはなりません。センサの光開口部 (フロントカバー) が全く遮られな
いよう注意してください。
追加機能 90
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105
図 51: 光軸調整 1
WEO
WEO
WSO
図 52: 光軸調整 2
2
検出距離
使用条件を遵守してください: 投光器と受光器の間隔を対応する図 [図 53 を参照] と
照合します (x = 検出距離、y = 予備能)。
複数の透過形光電スイッチを隣り合わせに取り付けて使用する場合、透過形光電スイ
ッチひとつおきに投光器と受光器の配置を入れ替え、透過形光電スイッチの間に十分
な間隔を保つことをお勧めします。それにより相互干渉を回避することができます
[図 50 を参照]。
0
10,000
1,000
100
10
1
10
(0.39)
20
(0.79)
30
(1.18)
40
(1.57)
50
(1.97)
60
(2.36)
Function reserve
Distance in m (feet)
WSE26P-xxxxx1xx, WSE26I-xxxxx1xx
図 53: 特性曲線 1
Sensing range
0 40
(131.23)
60
(196.85)
20
(65.62)
50 600
Sensing range typ. max.
1
Distance in m (feet)
図 54: 棒グラフ 1
3
タイマー機能設定
1
0
T1
T2
M
T4
T3
91 コミッショニング
106
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t
t
t t t
t
t t t t
t t t
t
t
t t
Input signal
0
T1
T2
T3
T4
M = 手動 (IO-Link を介した特定の設定)
1 ms 30.000 ms
2
4
ライト/ダークオンの設定
1
L
D
M
L
ライトオン
D
ダークオン
M
手動 (IO-Link を介した特定の設定)
92 プロセスデータ構造
プロセスデータ構造 (バージョン 1.1)
プロセスデータ構造 92
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107
A00 A70 A71 A72 A73 A75
IO-Link V1.1
プロセスデ
ータ
2 バイト 4 バイト
バイト 0 : ビット 15... 8
バイト 1: ビット 7... 0
バイト 0: ビット
31... 24
バイト 1: ビット
13... 16
バイト 2 : ビッ
15... 8
バイト 3: ビット
7... 0
ビット 0/
データタイ
Q
L1
/ ブール型
ビット 1/
データタイ
Q
L2
/ ブール型 Qint.1 /
ブール型
Q
L2
/ ブ
ール型
Qint.1 / ブール型
ビット... /
説明 / デ
ータタイプ
2...15 /
[空]
2...15 /
[時間測定
値] / UInt
14
2 … 15 /
[カウンタ
値] / UInt
14
2 … 15 /
[長さ / 速
度測定] /
SInt14
2 / Qint.
1 / ブー
ル型
2…7 / [空]
ビット... /
説明 / デ
ータタイプ
3 ...15 /
[時間測定
値] /
UInt13
8 … 31 / [キャリ
アロード] / UInt
24
93 トラブルシューティング
トラブルシューティングの表は、センサが機能しなくなった場合に、どのような対
策を講じるべきかを示しています。
LED 表示灯/故障パターン 原因 対策
WEO:
緑色の LED が点滅
IO リンク通信 なし
スイッチング出力がに従っ
た動作を示さない。
表 54表 6
1. IO リンク通信
2. 設定の変更
3. 短絡
1. なし
2. 設定の調整
3. 電気的接続を点検する
青色 LED の一部が点灯しな
い。
a) 光軸調整が不十分
b) 光学面の汚れ
c) 光軸内の粒子
d) 投光器 (WS) と受光器
(WE) の間隔が大きす
ぎる
a) 光軸調整を点検する
b) 光学面の清掃
c) 可能、空気中の汚れを防
d) 検出距離を点検する
光路内に対象物なし、出力信
号がない
テスト入力(Test)が正しく
接続されていない
テスト入力の接続を点検しま
す。LED 表示灯付きのメスケ
ーブルコネクタを使用する場
合、テスト入力が適切に割り
当てられていることに注意し
てください。
黄色の LED が点滅 投光器 (WS) と受光器 (WE)
の間隔が大きすぎる / WS
から WE への光線が完全で
検出距離を点検する、図 6
光軸調整を点検する
93 トラブルシューティング
108
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LED 表示灯/故障パターン 原因 対策
はない、または WE WS
合わせて光軸調整されてい
ない
光路に対象物が存在してい
るのに黄色の LED が点灯す
る。
透過形光電センサの投光光
軸が、別の(隣接する)透過
形光電センサの受光器にあ
たる
透過形光電スイッチひとつお
きに、投光器と受光器の配置
を入れ替え、透過形光電スイ
ッチ同士の間に十分な間隔を
保ちます。参照 図 50
94
分解および廃棄
センサは必ず該当国の規制にしたがって処分してください。廃棄処理の際には、
きるだけ構成材料をリサイクルするよう努めてください(特に貴金属類)
注意事項
バッテリー、電気および電子デバイスの廃棄
国際的指令に従い、バッテリー、アキュムレータ、および電気または電子デバ
イスは、一般廃棄物として廃棄することはできません。
法律により、所有者は、本デバイスの耐用年数の終了時に本デバイスをそれぞ
れの公的な回収場所まで返却することが義務付けられています。
製品、梱包または本文書に記載されているこの記号は、製品がこれら
の規制の対象であることを示します。
95
メンテナンス
SICK センサはメンテナンスフリーです。
定期的に以下を行うことをお勧めしています:
レンズ境界面の清掃
ネジ締結と差込み締結の点検
機器を改造することは禁止されています。
記載内容につきましては予告なしに変更する場合がございますのであらかじめご
了承ください。指定された製品特性および技術データは保証書ではありません。
分解および廃棄 94
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109
96 技術仕様
WSE26P WSE26I
最大検出範囲 0 m ... 60 m 0 m ... 60 m
光点のスポット径/距離 Ø 90 mm (8 m) Ø 110 mm (8 m)
供給電圧 U
B
DC 10 ... 30 V DC 10 ... 30 V
残留リップル
5 V
SS
5 V
SS
消費電流 ≤ 30 mA
1)
< 50 mA
2)
≤ 30 mA
1)
< 50 mA
2)
出力電流 I
max.
≤ 100 mA ≤ 100 mA
最大応答時間 500 µs
3)
500 µs
3)
スイッチング周波数 1,000 Hz
4)
1,000 Hz
4)
保護等級
5)
参照 表 50:
x4、xH、x5、xI: IP66、
IP67、IP69
6)
x9、xB: IP65
参照 表 50:
x4、xH、x5、xI: IP66、
IP67、IP69
6)
x9、xB: IP65
保護クラス III III
回路保護 A, B, C, D
7)
A, B, C, D
7)
周辺温度 (作動中) –40 °C ... +60 °C
8)
–40 °C ... +60 °C
8)
1)
16VDC...30VDC、負荷なし
2)
10VDC...16VDC、負荷なし
3)
切替モードでの抵抗負荷における信号遷移時間。COM2 モードでは値が異なる場合があります。
4)
切替モードで明暗比率 1:1 の場合 IO-Link モードでは値が異なる場合があります。
5)
EN 60529 準拠
6)
ISO 20653: 2013-03 準拠の IP69K の代わり
7)
A = U
B
電源電圧逆接保護
B = 出入力 逆接保護
C = 干渉パルス抑制
D = 出力の過電流保護および短絡保護
8)
0°C を下回る場合はケーブルを曲げないでください。
96.1 寸法図
7,1
8,1
10,8
25
38,86,4
12,9
48,1
40
10
44,2
Ø 5,2
24,6
82,2
70
Ø 5,2
76,5
8,1
82,5
53,3
7,3
4
3
3
32,4
2
12,9
24,6
7,3
57,4
1
5
76
図 55: 寸法図 1、ケーブル
1
投光器光軸の中心
2
受光器光軸の中心
3
固定穴、Ø 5.2 mm
4
接続
7,1
8,1
10,8
25
396,3
M12
48,1
40
44,219,7
Ø 5,2
24,6
82,2
70
Ø 5,2
17
7,9
76,5
82,5
32,4
2
53,3
63,9
4
3
3
M12
24,6
17
57,4
1
5
76
図 56: 寸法図 2、オスコネクタ
96 技術仕様
110
8020358.14CS | SICK
Subject to change without notice
5
緑色の LED 表示: 動作電圧有効
6
黄色 LED 表示: 受光ステータス
7
BluePilot 青色: 光軸調整補助装置
技術仕様 96
8020358.14CS | SICK
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