設置、操作、保守に関する指示
操作上の作業指示書
イナート ガスパッケージ
MJP-IGP-IO (26-04-2023)
目次
本取扱説明書は表紙に指定されているｶ ｰ ﾎ ﾞﾗｲ ﾄ･ｹ ﾞﾛ 製品のご使用の手引きとなるものです。本製品を
使用される前に、本取扱説明書をしっかりお読みください。本製品は本来の目的にご使用ください。
1.0 はじめに 3
2.0 適用範囲および目的 4
2.0.1 責任 4
2.1 ご使用前の注意事項 5
3.0 安全性 6
3.1 オペレーターの安全 6
3.2 リスク予防策および残余リスク軽減策 7
4.0 製品の概要 8
4.1 各部の名称 8
4.2 入力 /出力部の各部の名称 9
4.3 製品ラベル 9
4.4 仕様 10
4.5 電気的仕様 (アドバンスド ガスパッケージのみ) 10
5.0 設置 11
5.1 流量計の目盛りを交換する 11
5.2 流量計のモジュールを接続する 13
5.3 ガス接続部 15
5.3.1 ガス注入口 15
5.3.2 ガス排気口から容器まで 16
5.3.3 複数のガスボックスを接続する 17
5.4 電気的仕様 (アドバンスド ガスパッケージのみ) 17
6.0 基本操作 19
6.1 ガスと流量 20
7.0 保守 21
7.1 一般保守 21
7.2 保守スケジュール 21
8.0 使用停止、保管、廃棄処分 22
8.1 使用停止 22
8.2 保管 (長期間) 22
8.3 廃棄処分 (アドバンスドガスパッケージ) 22
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1.0 はじめに
Carbolite Gero 社製の不活性ガスパッケージは、空気、アルゴン (Ar)、窒素 (N2)および ヘリウム
(He) などの不活性ガスに限り、使用するように設計されています。
イナート ガスパッケージ には、次の2つのバージョンがあります。
lスタンダード -ガスを完全手動式で制御
lアドバンスド -電子制御式ｿ ﾚ ﾉｲ ﾄﾞﾊ ﾞﾙ ﾌﾞが組み込まれており、ガスを自動的に制御
このモジュラーシステムにより、電気炉当たり3つのガス管まで使用することが可能で、電気炉の温度調節
器に接続されている電磁弁を介して、手動でも自動でも制御することができます。
お客様は、流量計内のｽ ｹ ｰ ﾙ ｲ ﾝ ｻ ｰ ﾄを交換することで、別のガス用にﾓ ｼ ﾞｭｰ ﾙ を簡単に再構成すること
が可能です。
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2.0 適用範囲および目的
本製品は、研究室環境において加熱される密封容器内に不活性/不燃性ガスを供給することを使用目
的としています。
本製品は、付属しているCarbolite Gero製品のケーブルを用いて接続するように設計されています。
本機は、本取扱説明書に記載されている指示に従った上で必ず設置、作動、操作する必要がありま
す。しかるべき知識を有する者以外は、作業することはできません。
備考:本製品が、Carbolite Gero が定義している本来の目的以外に使用された場
合、本機に備え付けられている保護機能が働かなくなる可能性があります。
備考:本取扱説明書に記載されている指示をお守りいただけない場合、誤用となり、その結果、
Carbolite Gero が用意している一切の保証が受けられなくなります。
2.0.1 責任
お客様にはリスク評価を独自に行い、本機を使用して加工する素材が、必要とされる温度にまで安全に
加熱するのに適しており、こうした素材を取り扱う上で、安全対策が講じられていることを確認する責任が
あります。
l可燃性または爆発を引き起こしたり、可燃性ガスを生成する可能性がある素材の場合、こうした反
応に対処できるように特別に設計されている特殊な機器が備え付けられているケースを除き絶対に
加工しないでください。
l十分な通気性を確保し、加工時に放出される煙を排出するために排煙設備を備え付ける必要が
あります。
本製品は改造したり、本来の目的以外に使用することはできません。
備考：漏出時のガスによる窒息のリスクを軽減するために、お客様は本機の設置場所において十分
な通気性が確保されていることを確認する責任があります。
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2.1 ご使用前の注意事項
本製品を作動および使用するのに先立ち、設置、運転、保守作業に携わる者は、全員以下の要件を
満たしている必要があります。
l本書を目を通し、記載されている内容を十分に理解していること
l本製品に関する安全および操作上の研修を受けていること
l本製品を安全に操作する上で求められる適切な PPE (個人用防護具)が支給されていること
備考:本製品をご使用になる前に、お客様には上記のすべての条件が満たされていることを確認する
責任があります。
備考:別段の定めがない限り、お客様には本製品を設置し、追加機器やガス管また
は液体燃料供給菅に安全に接続する責任があります。
備考:本書全体を通して、注意書きには絵文字(ピクト グラフ)が添えられています。絵文
字の色合いは、本製品に実際に貼付されているものとは異なる場合があります。
移動する部分は 黄色 で、取り付け先または取り外し元となる表面部分は 青色 で強調
表示されています。必要に応じて、移動方向を示す矢印が用意されています。
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3.0 安全性
3.1 オペレーターの安全
備考：本機を操作する必要がある者は全員が十分な教育を受けており、適切な PPE (個人用防護
具)を着用しているという決まりを順守することはお客様ご自身の責任となります。
Carbolite Gero では、本機を操作したり、本機の周囲で作業する間は、常に適切な PPE を着用して
おくことを推奨しています。
備考：本機に以下の警告記号が貼付されていたり、作業現場で掲示されている場合、しかるべき安
全対策を講じた上で安全注意事項をお守りください。
取扱説明書をよく確認した
上で、本機の操作または保
守作業を行うこと
本製品を電源から切り離して
から、保守作業を行うこと
保護ゴーグルを着用 耐熱性のフェースシールドを
着用
耐熱性の手袋を着用 呼吸装置を装着
安全靴を着用 防護服を着用
2人以上で持ち上げる
危険：手では持ち上げられま
せん。特殊な装置が必要で
す！
警告！危険：感電の危険！
危険：火災の危険！危険：高温注意！
6
注意：
2極／中性線ヒューズ！
危険：
滑る危険！
危険：
荷物が吊下がっている危
険！
警告：
要換気！
注意：回転装置 危険：
押しつぶされる危険！
危険：
爆発物 /爆発性雰囲気！
この記号の横に記載されてい
る動作および行動はすべて厳
禁とします
本製品を使用して、食べ物
を調理したり、飲み物を温め
ないでください！
廃棄 しないで ください！
WEEE (廃電気電子機器指
令)の規則に従って、リサイク
ルしてください！
3.2 リスク予防策および残余リスク軽減策
リスク 予防策
高温注意
l耐熱手袋など、適切な PPE を着用する
l本製品の上に物を置かない
l不燃性の表面部分に設置し、隣接する表面部もすべて不燃性
であること
要換気 l十分な通気性が確保された場所以外では運転不可
l必要に応じて、レンジフード内の換気扇を使用する
火災 /爆
発
l本機を操作できるのは、しかるべき知識を有する者のみとする
lしかるべきリスク評価が行われている素材以外は、加工することは
できない
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4.0 製品の概要
4.1 各部の名称
1流量計
2流量計 調節用つまみ
3足部
4ガス制御 バルブ
5圧力表 示器
6ガス排気 口
7ガス注入 口
8背面パネル
9ソレノイドバルブリレー接続 (アドバンスドガスパッ
ケージのみ)
8
4.2 入力 /出力部の各部の名称
ガス注入 口
ガス排気 口
ソレノイドバルブへのリレー接 続 (アドバンスドガスパッケージのみ)
ガスの流れがオン
ガスの流れがオフ
4.3 製品ラベル
本製品を作動する前に、以下の製品情報および警告ラベルが所定の位置に貼られていることを確認し
てください。
1 Carbolite Gero のロゴ
2ガスセレクターの位置合わせラベル
3ガス排気 口ラベル
4ソレノイドバルブリレー接続 ラベル (アドバンスドガスパッケージのみ)
5ガス注入 口ラベル
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4.4 仕様
イナート ガスパッケージ (単体ボックス)
高さ x幅x奥行き (mm) 240 x 135 x 215
おおよその重量 (kg) 3.2
4.5 電気的仕様 (アドバンスド ガスパッケージのみ)
アドバンスド ガスパッケージは、ソレノイドバルブリレー経由による24ボルト の直流電源接 続部 を備 えてい
ます。
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5.0 設置
5.1 流量計の目盛りを交換する
イナート ガスボックスには、交 換可能なガススケールイナート 一式が付属していますので、幅広いガスで流
量計のモジュールを使用することが可能です。
備考：使用するガスに見合った適切な目盛りを選び、取り付けるのは、お客様ご自身の責任となりま
す
流量計内にガスの目盛りを取り付ける:
lガラス製ケースは小型の金属製のつめ2本で、流量計の上部
と下部に固定されています。つめ2本を 90° ひねると、ガラス製
ケースが外れます。
11
l右の写真にあるように、ガラス製ケースをそっと取り外します。
l流量 計モジュールに見合った適切なガススケールインサート を
選び、右の写真にあるようにガラス製管の周りにかぶせます。流
量計にスケールを挿入してから、ガラス製ケースを再度取り付
けます。
12
l金属製のつめを流量計のいずれかの端方向に 90° ひねり、元
の位置にしっかり固定します。
5.2 流量計のモジュールを接続する
複数のガスボックスを使用する場合、相互に連結されているガス管が引っ張られて緩む危険を抑えるため
にボックスはまとめて固定することを推奨します。
l流量計モジュールごとに、外側ケース
に鍵 穴のスロット が3つとねじ山が３つ
用意されています。
13
l付属の3つスペーサーとねじ3本を外
側ケースのねじ山に挿入します。
lモジュールの側面にあるねじがもう一
つのモジュールの鍵穴のスロット に収ま
るまで、2つの流量計モジュールを同
時に押し込みます。
l左側の流量計モジュールの背面を固
定しているねじを取り外します (後方
から見たところ)。
14
l背面パネルを取り外します。
l鍵穴 スロット に収まっている六角ねじ3
本を締め付けて、流量計モジュール2
つを同時に固定します。内部の作業
管や継手を破損することがないように
慎重に作業してください。
l背面パネルを取り外します。
5.3 ガス接続部
5.3.1 ガス注入口
lガス注入口には、外径 6mm の継手があり、
適切なサイズのホースを差し込めるようになっ
ています。
lホースを継手の一番奥まで挿入することで、
セキュアな接続を確保することができます。
lホースの反対側は、外部のガス供給口に接
続されている必要があります (お客様の方で
手配)。
備考：ガス注入口から作業管を取り外したり、継手を押し込む際には、ホースを引っ張りながら青いリ
ングを押し込み、そのままの状態を維持します。
15
5.3.2 ガス排気口から容器まで
1ガス排気 口
2プッシュ式T字型継 手
3ブランキングプラグ
4 6mm の雄コネクター
56mm のT字 型コネク
ター
6圧力除 去バルブ
76mm の編 み上げ
ホース
86mm のユニオンコネ
クター
備考：部品番号、2、3、4、5および 6は、一組 のセット として付 属しています。
lまだ接続が済んでいない場合、T字型継手と上記の接続具一式をつなげた状態で、ガスボックス
の後部にあるガス排気口にねじで留めます。適切なサイズのスパナを使用して、慎重に締め付け
てください。
l使用するガスが単一である場合、ブランキングプラグをT字型継手の最上部内の一番奥ま
で挿入します。
l複数のガスを使用する場合、接続用の作業管をT字型継手の最上部の内の一番奥まで
挿入する必要があります (5.3.3 の項を参照)。
l編み上げホースの片方の端を、雄コネクター内の一番奥まで挿入してから、ナット を 450 度回し
て締め付けます。
l編み上げホースの反対側の端を本製品/容器に接続します。
lガスパッケージを接続する製品/容器に6mm のバルクヘッドコネクターがある場合、そのコネ
クターに編み上げホースの反対側の端を直に取り付けることができます。
lガスパッケージを接続する製品/容器にステムの継手/6mm の吸気管がある場合、6mm
のユニオンコネクターを使用して編み上げホースの端に接続することができます。
l編み上げホースの片方の端を、雄コネクター内の一番奥まで挿入してから、ナット を
450 度回して締め付けます。
備考：予期せぬ窒息のリスクを軽減するために、圧力除去バルブを介して漏れ出るガ
スに対しては、オペレーターの作業環境から離れた場所に換気装置を設置したり、建屋
の外側に排出するなどの通気口を設けておく必要があります。圧力除去バルブは、1
psi (およそ 70 mbar)で開きます。
16
5.3.3 複数のガスボックスを接続する
ガスボックスは 3つまで同時に接続して、混合ガスを容器内に送り込むことができます。ボックス間で相互
に連結されているガス管に対応するために、追加のボックスにはY字型継手が用意されています (最上部
に注入口×2)。
l以下の写真にあるように、相互に連結されているガス管を Y字型および T字型継手の
一番奥にまで挿入します。
lY字型継手からガスが漏れ出るのを防ぐために、ブランキングプラグが一つ目の Y字型
継手の一番奥にまで挿入されていることを確かめます (以下の写真を参照)。
1
Y字
型継
手
2
ブラン
キング
プラグ
3
相互
に接
続さ
れて
いるガ
ス管
4
T字
型継
手
5.4 電気的仕様 (アドバンスド ガスパッケージのみ)
アドバンスドガスパッケージのソレノイドバルブでは、ガス製ボックスと製品制御ボックスの間を電気的に接
続する必要があります。両者をつなぐことで、温度調節器リレーは、電気式バルブを作動することができる
ようになります。バルブが作動したら、ガスを流すことができます。ご注文時にお客様が指定したオプション
に応じて、プログラムセグメント 出 力または温度アラームによって温 度調節器リレーがト リガーするように構
成されています。
ケーブルの片端 にはソレノイドコネクターソケット 、反対の端にはリレーコネクターが付属しています。
ガスボックスを製品の制御ボックスに接続する:
17
lソレノイドコネクターソケット をガスボックスの
裏側にある端子に押し込み、ソケット の後
部にあるねじを締めて固定します。
lケーブルの反対端にあるリレーコネクター
を、製品の制御ボックスの裏側にある対応
するリレーポート に押 し込 みます。
備考：複数のガスを使用する場合には、適
切なガスボックスが適 切なリレーポート に接続
されていることを確認してください。
18
6.0 基本操作
lガスボックスからガス供給を開始する前に、ガスボックス正面の
ガス制御バルブがオフになっており、ガス制御バルブが水平位
置にあることを確認してください。
備考：ガス圧は、ガスボックスではなくガス供給源で制御します。
lガスボックスをガス供給減に接続したら、必要とされるガス圧に
設定します。ガス圧は、1.5 bar 以下 (22 psi) に設定する
必要があります。
警告：イナート ガスパッケージが、作業管のエ
ンドシールに接続されている場合、圧力を
0.07 bar (70mbar) 以上に設定しない
でください！
lガス制御バルブを慎重に回して、垂直位置に合わせます。
lスタンダード ガスボックス:ガスは、容器内に注入されま
す。
lアドバンスド ガスボックス:電気炉に流れ込むガスは、電
磁弁を介して電気炉の調節器からの出力によって制御
されます。ただし、電気炉が電力装置に接続されてお
り、スイッチが入っていることが前提となります。
lガスが流れ出したら、流量計の調節用つまみを回して希望す
るガス流量に設定します。
備考：アドバンスドガスボックスを使用している場合、ガスは電磁
弁が作動している場合に限り、流れ込みます。
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l設定しているガス流量が正しいことを確かめてください。測定値
はフロート の最 上部 を読 み取 ります。目盛りの上端と一致する
部分がガスの流量値となります。
備考：背圧の上昇を最小限に抑えるために、排気口に接続する際は、室内の通気管
路の直径が大きいものを必ず使用します。排気口の接続部が 6mm の場合、直径が
10mm 以上のものを使用して、室内に 5～10 メート ル間隔で設 置します。
備考：ガス管は常にきれいな状態に保ってください。容器 /作業管の背圧が上昇する
可能性があるため、排気口に接続されている通気管は、破片などが積もっていないか
定期的に検査します。
6.1 ガスと流量
ガス 流量の範囲 (リッター/分)
空気 1 - 10
窒素 (N2)1 - 10
アルゴン (Ar) 1 - 8
95% 窒素 (N2)/水素 5% (H2)1.2 - 11
98% アルゴン (Ar) / 2% 水素 (H2)1 - 9
二酸化炭素 (CO2)1 - 8.5
ヘリウム (H2)2 - 20
20
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