Dell Software RAID クイックスタートガイド

  • こんにちは!このDellソフトウェアRAIDユーザーガイドの内容を熟読しました。Red Hat Enterprise Linux 4環境でのソフトウェアRAIDの設定、管理、そしてドライブ障害からの復旧方法に関するご質問にお答えできます。ドライブの交換手順やGRUBのインストール方法など、具体的な手順についてもご説明できますので、お気軽にご質問ください。
  • ソフトウェアRAIDとは何ですか?
    ドライブ障害が発生した場合、どのようにRAID構成を復元しますか?
    GRUBとは何ですか?なぜインストールする必要があるのですか?
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Dell™ オペレーティング
システム RAID
Red Hat
®
Enterprise Linux 4
によるソフトウェア RAID
メモおよび注意
メモ: コンピュータを使いやすくするための重要な情報を説明しています。
注意: ハードウェアの損傷やデータの損失の可能性を示し、その危険を回避するための方法を
説明しています。
____________________
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2005 4 P/N CC202 Rev. A00
Red Hat Enterprise Linux 4 によるソフトウェア RAID 35
Red Hat
®
Enterprise Linux 4 によるソフ
トウェア RAID の設定と管理
ソフトウェア
RAID
の費用効率の向上は、
Linux
システムの管理者に、高価なハードウェア
ベースの
RAID
実装に代わる新たな選択肢を提供します。これを可能にしているのが、
Linux
オペレーティングシステムの優れた価格性能比と、プロセッサパワーの急速な発展で
す。
Red Hat Enterprise Linux 4
が提供するソフトウェア
RAID
層と管理ツールを使用する
と、各社の要件に最適な、効率的で費用効果に優れたソフトウェア
RAID
の構築が可能に
なります。
Linux オペレーティングシステムのインストール時にソ
フトウェア RAID アレーを作成
ソフトウェア
RAID
デバイスは次の手順で作成します。各手順については以下の項で説明
します。
ソフトウェア
RAID
の起動パーティションの作成
ソフトウェア
RAID
のスワップパーティションの作成
ソフトウェア
RAID
root
パーティションの作成
追加のソフトウェア
RAID
パーティションの作成
ソフトウェア
RAID
を作成するには、まずハードドライブをパーティション分割する必要
があります。パーティション分割すると、ハードドライブ内を互いに独立した複数のセク
ションに分けることができ、各セクションはあたかも個別のハードドライブであるかのよ
うに動作します。オペレーティングシステムのインストールの過程で、
Disk Partitioning
Setup
(ディスクパーティション設定)画面を使用してハードドライブをパーティション
分割するよう指示されます。
Disk Partitioning Setup
(ディスクパーティション設定)
画面では、次のいずれかを選択できます。
Automatically partition
(自動パーティション設定)
Manually partition with Disk Druid
Disk Druid
を使用して手動パーティション設定)
注意: パーティション分割するドライブ上にデータが存在していると、そのデータは失われ
ます。
システムを手動でパーティション分割したくない場合は、
Automatically partition
(自動パーティション設定)を選択して、インストールプログラムに処理を任せます。
ドライブを手動でパーティション分割するには、
Manually partition with Disk Druid
Disk Druid
を使用して手動パーティション設定)を選択して、
Next
(次)をクリックし
ます。既存のデバイスやパーティションがあればそれらを選択し、
Delete
(削除)をク
リックして削除します。パーティションを削除するには、最初にデバイスを削除しなけれ
ばなりません。
36 Red Hat Enterprise Linux 4 によるソフトウェア RAID
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ソフトウェア RAID の起動パーティションの作成
1
ソフトウェア
RAID
パーティションを作成するため、
RAID
をクリックし、
Create
a software RAID partition
(ソフトウェア
RAID
パーティションを作成)を選択し
ます。
OK
をクリックします。
2
ファイルシステムタイプには
Software RAID
(ソフトウェア
RAID
)を選択します。
パーティションを作成するドライブが
1
つだけ選択されており(
sda
など)、サイズ
100 MB
で、
Fixed Size
(指定したサイズ)ボックスが選択されていることを確認
してください。
OK
をクリックして続行します。
3
手順
1
2
を繰り返して、
2
番目のハードドライブ(
sdb
など)上にも
RAID
パーティ
ションを作成します。
4
もう一度
RAID
をクリックし、
Create a RAID device
RAID
デバイスを作成)を選
択し、
OK
をクリックします。
5
マウントポイントには
/boot
を、ファイルシステムタイプには
ext3
を、
RAID
デバイ
スには
md0
を、
RAID
レベルには
RAID 1
を選択します。
OK
をクリックします。
ソフトウェア RAID のスワップパーティションの作成
1
ソフトウェア
RAID
パーティションを作成するため、
RAID
をクリックし、
Create
a software RAID partition
(ソフトウェア
RAID
パーティションを作成)を選択し
ます。
OK
をクリックします。
2
ファイルシステムタイプには
Software RAID
(ソフトウェア
RAID
)を選択します。
パーティションを作成するドライブが
1
つだけ選択されており(
sda
など)、サイズ
がシステム
RAM
メモリの
2
倍になっており、
Fixed Size
(指定したサイズ)ボック
スが選択されていることを確認してください。
OK
をクリックして続行します。
3
手順
1
2
を繰り返して、
2
番目のハードドライブ(
sdb
など)上にも
RAID
パーティ
ションを作成します。
4
もう一度
RAID
をクリックし、
Create a RAID device
RAID
デバイスを作成)
を選択して、
OK
をクリックします。
5
ファイルシステムタイプには
swap
(スワップ)を、
RAID
デバイスには
md1
を、
RAID
レベルには
RAID 1
を選択します。
OK
をクリックします。
ソフトウェア RAID root パーティションの作成
1
ソフトウェア
RAID
パーティションを作成するため、
RAID
をクリックし、
Create
a software RAID partition
(ソフトウェア
RAID
パーティションを作成)を選択し
ます。
OK
をクリックします。
2
ファイルシステムタイプには
Software RAID
(ソフトウェア
RAID
)を選択します。
パーティションを作成するドライブが
1
つだけ選択されていることを確認し(
sda
ど)
root
パーティションに設定するサイズを入力し、
Fixed Size
(指定したサイズ)
ボックスを選択してください。
OK
をクリックして続行します。
Red Hat Enterprise Linux 4 によるソフトウェア RAID 37
3
手順
1
2
を繰り返して、
2
番目のハードドライブ(
sdb
など)上にも
RAID
パーティ
ションを作成します。
4
もう一度
RAID
をクリックし、
Create a RAID device
RAID
デバイスを作成)を選
択して、
OK
をクリックします。
5
マウントポイントには
"
/"
を、ファイルシステムタイプには
ext3
を、
RAID
デバイス
には
md2
を、
RAID
レベルには
RAID 1
を選択します。
OK
をクリックします。
追加のソフトウェア RAID パーティションの作成
1
ソフトウェア
RAID
パーティションを作成するため、
RAID
をクリックし、
Create
a software RAID partition
(ソフトウェア
RAID
パーティションを作成)を選択し
ます。
OK
をクリックします。
2
ファイルシステムタイプには
Software RAID
(ソフトウェア
RAID
)を選択します。
パーティションを作成するドライブが
1
つだけ選択されていることを確認し
sda
など)、パーティションに設定するサイズを入力し、
Fixed Size
指定したサイズ)ボックスを選択してください。
OK
をクリックして続行します。
3
手順
1
2
を繰り返して、
2
番目のハードドライブ(
sdb
など)上にも
RAID
パーティ
ションを作成します。
4
もう一度
RAID
をクリックし、
Create a RAID device
RAID
デバイスを作成)
を選択して、
OK
をクリックします。
5
マウントポイント、ファイルシステムタイプ、
RAID
デバイスを指定し、
RAID
レベルには
RAID 1
を選択します。
OK
をクリックします。
すべてのパーティションを作成し終わったら、
Next
(次)をクリックします。
ドライブ障害に対するシステムの準備
本項では、ドライブ障害が発生した場合に
RAID
設定を復元できるように、システムを準
備しておく方法について説明します。
RAID
デバイスの設定とオペレーティングシステムの
インストールが完了したら、以下の作業が可能になります。
パーティションテーブルのバックアップコピーの作成
各ドライブの
MBR
(マスターブートレコード)上への
GRUB
GRand Unified Bootloader
)のインストール
38 Red Hat Enterprise Linux 4 によるソフトウェア RAID
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パーティションテーブルのコピー
パーティションテーブルをコピーするには、パーティション情報を格納するためのディレ
クトリを作成し、
sfdisk
コマンドを使用して、各ディスクのパーティション情報ファイ
ルをそのディレクトリに書き込みます。
mkdir /raidinfo
sfdisk -d /dev/sda > /raidinfo/partitions.sda
sfdisk -d /dev/sdb > /raidinfo/partitions.sdb
これで、両方のドライブのパーティションテーブルがミラーパーティション上に保存され
るため、一方のドライブで障害が発生しても、もう一方のドライブに保存されているパー
ティション情報から、パーティションを適切に再構築することができます。
MBR 上への GRUB のインストール
RAID
の設定とオペレーティングシステムのインストールの間には、プライマリハードドラ
イブ(
sda
)の
MBR
上にのみ
GRUB
がインストールされます。そのため、プライマリハー
ドドライブで障害が発生したときには、システムは起動ディスクからしか起動できなくな
ります。この状況を避けるには、両方のドライブの
MBR
上に
GRUB
をインストールして
おきます。
2
番目のドライブの
MBR
上にも
GRUB
をインストールするには、
2
番目のドライブを一時
的にプライマリディスクとして定義します。このためには、
sdb
hd0
と指定し、
2
番目
のドライブに
MBR
を書き込むように
GRUB
に指示します。
GRUB
シェルに入るには、コマンドプロンプトで
grub
と入力します。
grub>
プロンプトで、次のように入力します。
device (hd0) /dev/sdb
root (hd0,0)
setup (hd0)
GRUB
により、
setup
コマンドの実行中にバックグランドで実行されるすべてのコマンドが
表示され、次に
setup
コマンドの成功を示すメッセージが返されます。これで、両方のド
ライブ上に
MBR
が存在することになり、どちらのドライブからでもシステムを起動できる
ようになります。
Red Hat Enterprise Linux 4 によるソフトウェア RAID 39
ドライブ障害が発生した場合の RAID 構成の復元
ソフトウェア
RAID 1
アレイ内のハードドライブに障害が発生した場合は、次の
3
段階の手
順で新しいドライブ上に
RAID
アレイを復元できます。
障害が発生したドライブを交換
交換したドライブをパーティション分割
md
デバイスに
RAID
パーティションを戻す
ドライブに障害が発生している疑いがある場合は、次のコマンドを使用して、各
RAID
バイスの状態を確認できます。
cat /proc/mdstat
たとえば、
md0
デバイスから提供されるパーティションが不足している場合は、次の情報
が表示されます。
md0 :active raid1 sda1[0]
104320 blocks [2/1] [U_]
この出力結果は、
md0
RAID 1
デバイスとしてアクティブになっており、その
RAID
デバ
イス内でパーティション
sda1
が現在アクティブであることを示しています。出力
[
2/1
]
は、このデバイスでは本来
2
つのパーティションを使用できるはずであるが(
1
番目の
値)、現在はそのうち
1
つだけが使用可能であることを示しています(
2
番目の値)。出力
[
U_
]
は、最初のパーティションが使用可能であり(
"U"
により判別)
2
番目のパーティ
ションがオフラインになっていることを示しています(アンダースコアにより判別)
障害が発生したディスクドライブの交換
ハードディスクドライブに障害が発生した場合は、
RAID 1
が提供するデータ冗長性を保持
するために、故障したドライブをただちに交換してください。
故障したハードドライブを新しいものに交換する方法については、ご使用のシステムのマ
アルを参照してください。
交換したドライブのパーティション分割
障害が発生したディスクドライブを交換したら、事前
/raidinfo
ディレクトリに保存
しておいたパーティションを復元します。
ドライブ
sda
を交換した場合に、
sda
の元のパーティション構を新しいハードドライブ
上に復元するには、次のコマンドを入力します。
sfdisk /dev/sda < /raidinfo/partitions.sda
ドライブ
sdb
を交換した場合に、
sdb
の元のパーティション構を新しいハードドライブ
上に復元するには、次のコマンドを入力します。
sfdisk /dev/sdb < /raidinfo/partitions.sdb
40 Red Hat Enterprise Linux 4 によるソフトウェア RAID
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md デバイスに RAID パーティションを戻す
次に、各
RAID
デバイスにパーティションを戻します。
パーティション
sdb1
md0
デバイスに戻して、そのパーティション上にデータを再構築
するには、次のコマンドを使用します。
mdadm -a /dev/md0 /dev/sdb1
パーティションの再構築中に状態を追するには、
watch
cat /proc/mdstat
コマンド
を実行します。再構築の状態と進捗状況を確認できます。次のような状態が表示されます。
md2 :active raid1 sdb3[2] sda3[0]
5116608 blocks [2/1] [U_][=>..............] recovery = 7.7%
(397888/5116608) finish=1.7mins
再構築の終了
watch
cat /proc/mdstat
コマンドを実行すると、このデバイス
場合であれば次のような結果が返されます。
md0 :active raid1] sda1[0] sdb1[1]
104320 blocks [2/2] [UU]
それれの
RAID
デバイスに各パーティションを戻すには、
mdadm -a
コマンドを使用し
ます。
すべてのパーティションを追加し終わったら、ドライブ障害にするシステムの準備
説明した
GRUB
コマンドを実行して、新しいディスクの
MBR
上に
GRUB
をインストール
します。この作業が終了したら、
RAID
設定が完に復元されます。
/