RD-M280

Shimano RD-M280 Dealer's Manual

  • シマノRD-M280リアディレイラーのディーラーマニュアルの内容を理解しています。取り付け方法、調整方法、メンテナンス方法、安全上の注意など、このマニュアルに記載されているあらゆる質問にお答えします。例えば、締付トルク、チェーン洗浄方法、SIS調整方法などの具体的な質問にも対応可能です。
  • RD-M280の取り付けトルクは?
    変速操作がスムーズでない場合は?
    インナーケーブル内蔵フレームは使用可能?
    チェーンの洗浄には何を使用すべき?
    SIS調整のベストセッティングとは?
(Japanese)
DM-RD0002-00
ディーラーマニュアル
RD-M280
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重要なお知らせ
ディーラーマニュアルは自転車安全整備士、自転車技士など専門知識を有する方を対象としています。
専門知識のないユーザーがディーラーマニュアルを参照して、部品を取り付けないでください。
記載されている内容に不明な点がある場合は絶対にご自身で作業せず、購入された販売店、または代理店へご相談く
ださい。
各製品に付属している取扱説明書も併せてよくお読みください。
ディーラーマニュアルに書かれていない製品の分解、改造はおこなわないでください。
全ての取扱説明書、ディーラーマニュアルはウェブサイトhttp://si.shimano.comでご覧いただけます。
地域のルールや法律に従って製品をご使用ください。
安全のため、必ずこのディーラーマニュアルをよくお読みの上、正しくご使用ください。
人への危害、財産の損害を防止するため、必ずお守りいただくことを説明しています。
誤った使い方をしたときに生じる危害や損害の程度を区分して、説明しています。
危 険
「死亡や重傷を負う恐れが大きい内容」です。
警 告
「死亡や重傷を負う恐れがある内容」です。
注 意
「傷害を負うことや、財産の損害が発生する恐れがある内容」です。
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安全のために
警 告
製品を取付ける際は、必ず取扱説明書等に示している指示を守ってください。
その際、シマノ純正部品の使用をお勧めします。ボルトやナット等が緩んだり、破損しますと突然に転倒して重傷を
負う場合があります。
また、調整が正しくない場合、不具合が発生し、突然に転倒して重傷を負う場合があります。
部品の交換など、メンテナンス作業中は、安全メガネまたはゴーグルを着用し、眼を保護してください。
ディーラーマニュアルはよくお読みになった後、大切に保管してください。
以下に記載する事項は必ずお客様にも指導してください
メンテナンスの頻度は、ライディングの状況により異なります。チェーンを適切なクリーナーで定期的に洗浄してく
ださい。錆び落とし等のアルカリ性、あるいは酸性の洗浄液は決して使用しないでください。これらを使用すると
チェーンが破損し、重傷を負う恐れがあります。
使用上の注意
以下に記載する事項は必ずお客様にも指導してください
変速操作がスムーズに出来なくなった場合には変速機を洗浄し、可動部に注油してください。
リンク部のガタが大きくなって変速調整が出来なくなった場合には変速機を交換してください。
通常の使用において自然に生じた摩耗および品質の経年劣化は保証いたしません。
自転車への組付け、整備に関する事項
インナーケーブル内蔵フレームは、ワイヤー効率が悪くSISが働きにくいため、ご使用できません。
インナーケーブルとアウターケーブルの摺動部分がグリス潤滑された状態で使用してください。
アウターケーブルはハンドルを一杯に操舵しても余裕がある長さのものをご使用ください。また、ハンドルを一杯に
操舵した時に変速レバーがフレームに接触しないことを合わせて確認してください。
変速調整が出来ない場合には、車体の後ろエンドの平行度の確認、ケーブルの洗浄及びグリスアップとアウターケー
ブルが長すぎたり短かすぎたりしていないかを確認してください。
定期的に変速機を洗浄し可動部(メカニズム部及びプーリー部)に注油してください。
手順の説明を主体としていますので、製品イメージが異なる場合があります。
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取付け
リアディレイラーの取付け
取付けの際、Bテンションアジャストボルトがフォークエンド爪部に当たって変形しないようにご注意ください。
5mm•アレンキー
フォークエンド
爪部
Bテンション
アジャストボルト
締付トルク:
8~10•N・m•{80~100•kgf・cm}
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調整
リアディレイラーの調整
1.•トップ側の調整
1.
後方から見て、ガイドプーリーがトップギアの外側の線の上にくるようにトップアジャストボルトを回して調整して
ください。
ガイドプーリー
トップギア外側
トップアジャスト
ボルト
2.•インナーケーブルの取付と固定
レバー側
1.
レバーBを7回以上操作してトップ位置にセットします。
2.
ネジをはずしてカバーを取り外します。
3.
図のようにインナーケーブルを引きだして抜きとり、新しいインナーケーブルを取付けます。
2.
•カバー
3.
•インナーケーブル
1.
•レバーB
2.
•ネジ
締付トルク:
0.3~0.5•N・m•{3~5•kgf・cm}
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リアディレイラー側
インナーケーブルの通し方向
アウターケーブルの刻印側からインナーケーブルを通してくだ
さい。
ケーブル効率維持のため、刻印側にグリスが封入されています。
刻印
アウターケーブルの切断
アウターケーブルを切断する場合には刻印の反対を切断してく
ださい。
切断後の端面は、外側を真円に戻し、穴の内側を整えてください。
アウターケーブルキャップは、切断後も同一物を使用してくだ
さい。
アウターキャップ
1.
インナーケーブルをリアディレイラーに固定します。
ご注意:
インナーケーブルは必ず溝に沿わせて固定
してください。
締付トルク:
5~7•N・m•{50~70•kgf・cm}
3.•ケーブルの張り調整
1.
図のようにインナーケーブルの初期の伸びを取った後、再び
リアディレイラーに固定しなおします。
引っぱる
7
4.•ロー側の調整
1.
ガイドプーリーがローギアの真下にくるようにローアジャストボルトを回して調整してください。
ガイドプーリー
ローギア
ローアジャスト
ボルト
5.•Bテンションアジャストボルトの調整
1.
チェーンをチェーンホイールの最小ギア、フリーホイールの最大ギアにセットし、クランクを逆に回します。
2.
チェーンづまりしない位置までガイドプーリーがギアに近づくようにBテンションアジャストボルトを回して調整し
ます。
3.
次にフリーホイールを最小ギアにセットして同様に、チェーンづまりがしないことを確認してください。
ローギア トップギア
Bテンション
アジャストボルト
8
SISの調整
1.
シフティングレバーを1回操作して、リアギアを2段目に変速させます。
2.
その後、レバーの遊び分だけ操作した状態で、クランクを回転させます。
遊び
シフティングレバーをレバーの遊び分だけ操作した状態でチェーンがサードギアに接触し、
音鳴りする状態がベストセッティングです。
遊び
シフティングレバーをレバーの遊び分だけ操作した状態でチェーンがサードギアに接触し、
音鳴りする状態がベストセッティングです。
サード(3段目)に変速する場合
チェーンがセカンドに戻るまで調整ボルトをしめる。(時計方向)
調整ボルト
全く音鳴りがしない場合
サードギアに接触し音鳴りがするまでボルトを緩める。(反時計方向)
調整ボルト
3.
レバーをもとの位置に戻し(レバーはセカンドの位置でレバーから指を離した状態)クランクを回転させてください。
サードギアと接触し、音鳴りが残っている場合は調整ボルトを少し締めて(時計方向)、音鳴りのしないぎりぎりの
ポイントで止めるようにしてください。
4.
レバーを操作して変速し各段で音鳴りがないことを確認してください。
5.
SISの機能を充分に持続させるために伝達各部にオイルメンテナンスを行ってください。
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メンテナンス
プーリーの交換
1.
3mmアレンキーでプーリーを交換します。
〈ガイドプーリー/テンションプーリー〉
3mm•アレンキー
締付トルク:
2.5~•5.0•N・m•{25~50•kgf・cm}
製品改良のため、仕様の一部を予告なく変更することがあります。
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