Shodex C18U 2B, C18U 2D 取扱説明書

  • Shodex C18U 2BとC18U 2Dカラムの取扱説明書の内容を理解しました。カラムの仕様、使用方法、洗浄方法、保管方法などに関するご質問にお答えできます。特に、優れた分離性能、高い耐久性、幅広い適用性といった特徴について詳しく説明されていますので、お気軽にご質問ください。
  • カラムの洗浄方法は?
    カラムの保管方法は?
    使用可能な溶媒は?
    使用可能な圧力と温度は?
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株式会社レゾナック (https://www.shodex.com/)
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カラム取扱説明書
Shodex C18U 2B, 2D
(カラム性能を十分に発揮させ、安定して長期間ご利用いただくために、取扱説明書をよく読んでからお使いください。)
取り扱い上の注意 <重要>
警告 分析に使用する溶媒や試薬を取り扱う際は、製造元が発行する安全データシート(SDS)
使用上の注意事項を順守してください。死亡または重傷を負う可能性があります。
有機溶媒や酸、アルカリなどの試薬を取り扱う際は、直接人体に触れないよう保護メガネや手袋などの
保護具を着用してください。薬傷のおそれがあります。
ご使用の前に
(1) 梱包状態、カラムの外観に異常がないか確認してください。
(2) カラム外箱とカラム本体に貼られているラベルシールに製品名、シリアルナンバー(Serial No.またS/N)が記載
されていますので確認してください。
(3) 査成績書(CERTIFICATE OF ANALYSIS)は、Shodex WEBサイトの検査成績書ダウンロードページに
アクセスし、ダウンロードしてください。ダウンロードにはシリアルナンバーの入力が必要です。
検査成績書ダウンロードURL https://www.shodex.com/download/
1. はじめに
このたびは、Shodex製品をご購入いただき、ありがとうございます。
Shodex C18Uシリーズは、有機シリカハイブリッド基材にオクタデシル基が結合した逆相クロマトグラフィー用カラム
です。従来のシリカ系逆相カラムと比較し、優れた分離性能と高い耐久性を有するため、多様な分析条件下で使用
可能であり、幅広い範囲の化合物の分離に好適です。
2. カラム各部の名称
Shodex WEBサイトを参照ください
参照URL https://www.shodex.com/ja/da/07.html
3. カラムの仕様
製品コード 製品名 サイズ (mm) 粒径
(μm)
炭素
(%)
内径 長さ
F6654011 C18U 2B 2.0 50 1.9 20
F6654012 C18U 2D 2.0 150 1.9 20
有機シリカハイブリッド基材の炭素含有8%を含む
充てん剤 オクタデシル基を化学結合した有機シリカハイブリッド多孔質粒子
カラム材質 SUS-316
カラム末端接続ネジ オシネジ型 No. 10-32 UNF
出荷時封入液 アセトニトリル
4. 使用可能条件
製品名 常用流量
(mL/min)
最大圧力
MPa/カラム) pH 範囲 温度 ()
推奨 上限
C18U 2B 0.2 ~ 0.8 100 1 ~ 12 20 ~ 40 90 (pH1 ~ 7)
50 (pH7 ~ 12)
C18U 2D
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使用可能な溶媒は、以下の通りです。
(1) 基本の溶離液は、水と有機溶媒の混合溶媒(任意比率)です。それぞれ 100 %での使用が可能です。
(2) 使用可能な有機溶媒はアセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)などです。
注意 使用条件を順守してください。使用可能範囲外での使用は、カラムを劣化させるおそれがあります。
※緩衝液(または塩の水溶液)と有機溶媒の混合溶媒を使用する場合は、塩が析出しないことを確認して
ください。
使終了後、装置やカラムに塩が残らないように
洗い流してください。装置やカラムの金属部分が錆びるおそれがあります。
カラム圧力は、溶離液組成、流量、カラム温度によって変動します。溶離液の組成を変更する場合は、
使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
※使用圧力上限付近での連続使用や、急激な圧力変化はカラム寿命を低下させる要因となるため注意
してください。
※一般的に、カラム温度、緩衝液や添加剤濃度が高いほど、また、有機溶媒濃度が低いほど、カラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 ※アルカリ条件で長期使用する場合は、1 ~ 10 mM など低濃度の有機系緩衝液(トリエチルアミン
グリシンなど)を用い、低温(30 ℃以下)で分析することをお勧めします。また、推奨の有機溶媒は、
メタノールです。
5. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブラン
フィルター(0.2 μm)で溶離液をろ過してください。
注意 水は、超純水製造装置で用時調製した水や開封直後の HPLC グレードの蒸留水を使用してください。
有機溶媒は、HPLC で問題無く使用できる品質が保証された HPLC グレードの使用をお勧めします。
異なるグレードの有機溶媒を用いる場合は、分析に適した品質であることを確認してから使用して
ください。なお、開封後、長時間経過したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起きて
いる可能性があります。
長期間保存した溶離液は使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの
劣化につながるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
6. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液に溶解しにくい場合は、可能な限り
溶離液組成に近づけるようにしてください。グラジエント溶出する場合は、初期溶離液を用いて試料調製することを
お勧めします。
(2) 粒子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめ
メンブランフィルター(0.2 μm)などでろ過してください。
(3) 試料注入量はカラム 1本あたり 10 μL以下が目安です。
(4) タンパク質や多糖類などの高分子化合物を含む試料や夾雑物の多い試料の場合は、あらかじめ固相抽出等に
よる前処理(クリーンアップ)をしてください。
注意 ※試料を溶離液と異なる溶媒で溶解させた場合、溶離液に不溶な成分が存在すると注入後に析出
してカラムを詰まらせるおそれがあります。
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試料濃度が高すぎたり、試料注入量が多すぎるとカラム本来の性能が十分に発揮できず、ピーク形状の
異常や分離不良、再現性の低下などにつながるおそれがあります。そのような場合は、試料溶液の希釈
や注入量の減少を適宜行ってください。
7. カラムの使用方法
7-1. 装置の設定
C18U シリーズは 1.9 µm 粒子が充てんされた超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)用カラムです。ポンプや接続
配管の耐圧に注意してください。一般的には、60 MPa 程度以上の耐圧を有した UHPLC 対応システムでの使用が
適しています。装置の流路における試料の拡散(カラム外拡散)はカラム性能に大きく影響します。下記に示すように
装置の使用環境を最適化してください。
(1) インジェクターからカラムまで、カラムから検出器までの配管は可能な限り短くし、内径の小さい(0.15 mm 以下)
配管を使用してください。
(2) インジェクターはセミミクロ用もしくはミクロ用を使用するとともに、サンプルループを最小化してください。
(3) 検出器のフローセルはセミミクロ用もしくはミクロ用などの低容量タイプを使用してください。UHPLC 分析は、保持
が短く、シャープなピークになるため、検出器のレスポンスは 0.1 sec 以下、データサンプリング速度は
10 points/sec 以上を目安としてください。
7-2. 流路の溶媒置換
カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、
インジェクター流路(サンプルループ)もバルブを切り替えて洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い
溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換して
ください。
注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させ
おそれがあります。
7-3. カラムの接続
(1) カラム本体に貼られているラベルシールを確認し、Flow 方向)へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接続
してください。
(2) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながら
オシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(3) 流量を 0.2 mL/min 以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度になる
までは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれ
があります。
カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、常用流量の半分以下で通液
してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります。
カラムを加温して使用した後は、流量を常用流量の半分以下に下げて通液を続け、カラム温度を室温に
戻してからポンプの通液を止めてください。カラム温度が高いまま通液を止めると溶離液の温度が下がる
時に溶離液が収縮することでカラム内に空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。
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参考 使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。
7-4. 溶離液の置換
溶離液を置換する時は、0.2 mL/min 以下の流量でカラム体積の 3 ~ 5 倍量を通液してください。
(1) カラムに封入されている溶媒と置換する溶媒が混和するかどうかを確認してください。
(2) カラムに封入されている溶媒と混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または
溶解性のある溶媒組成に置換してから、使用する溶媒に置換してください。
(例)高濃度の緩衝液(または塩の水溶液)から水/アセトニトリルに置換する時は、水を通液してから水/アセトニトに
置換してください。
(3) グラジエント溶出を行う場合は、溶離液の組成変化に伴い、グラジエント溶出中にカラム圧力が使用可能最大圧力
を超えることがあります。使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
7-5. カラムの洗浄
流路系や試料中の不溶性物質または吸着性物質がカラム内に蓄積することで、溶出挙動や圧力の変化が生じる
ことがあります。このような場合は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。
分析カラムを複数本連結して使用している場合は、それぞれ 1本ずつ個別に洗浄してください。カラム洗浄時は、
検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で受け取るようにしてください。
カラムを洗浄しても改善しない場合は、新品カラムと交換してください。
【洗浄方法】
(1) 不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下
の流量で通液することにより取り除けることがあります。
(2) 吸着性物質の具体的な洗浄方法は下記の例を参考にしてください。カラム洗浄時は、カラムを逆向きにつなぎ
替えてください。流量は 0.2 mL/min 以下で行ってください。通液量はカラム体積の 5 ~ 10 倍量が目安です。
(例 1 溶離液に緩衝液や塩類を含まない場合
溶離液を構成する有機溶媒の濃度を高めて洗浄してください。有機溶媒は 100 %まで使用可能です。特に脂溶性の
高い成分が吸着している場合、THF を添加すると効果的な場合もあります
(例 2 溶離液に緩衝液や塩類を含む場合
緩衝液や塩類を含まない水と有機溶媒の混合溶媒(溶離液と同等比率)に置換した後、(例 1)と同様の洗浄を
してください。
注意 pH 限界付近で使用した後に水のみで洗浄するとカラムの劣化につながるおそれがありますので、
水と有機溶媒の混合溶媒で洗浄してください。
8. カラムの保管
出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存
してください。溶離液の置換については、「7-4. 溶離液の置換」の項を参照してください。
注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。
. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムに、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
(3) 各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。
製品に関する情報や分析例は、Shodex WEB サイト(https://www.shodex.com/)を参照してください。その他、
ご不明な点は、購入した販売店または Shodex WEB サイトからお問い合わせください。
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